
兵庫教育大学教材文化資料館は、4月1日(水)~8月31日(月)の期間、企画展「ぞわる文学~五感がいざなう魅惑の世界」を開催している。
展示資料数は約40点、観覧料は無料だ。
体で感じる文学体験を楽しもう
「ぞわる文学~五感がいざなう魅惑の世界」では、日本近代文学を中心に、梶井基次郎の『檸檬』や宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』など、五感を刺激する作品を紹介中。さらに、それら作品の一場面をそれぞれの感覚に焦点を当てて再現し、実際に香りを嗅いだり、音楽を聴いたりと「読む」だけではない、体で感じる文学体験を楽しめる。
教科書でお馴染みの作品に加え、学校では教わらなかった妖しい作品も並ぶ。文豪たちの、ときに鋭く、ときに繊細な表現をその文章のみでなく、見て、触れて、嗅いで、より物語に没入してみて。ぞわっと鳥肌が立つような、背筋がぞくりとするような、そんな魅惑の世界へ案内してくれるだろう。
嗅いだり、座ったりして物語の世界を体験しよう


のれんをくぐった先の展示の入り口では、積み重なった画集の上に置かれたレモンが出迎える。ここでは五感のひとつ、嗅覚に着目した展示として、梶井基次郎の『檸檬』、高村光太郎の『レモン哀歌』を取り上げている。
それぞれの作品の中でレモンはどのように表現され、またどのような効果をもたらしているのだろうか。詩や小説の一節を読みながら、その場で実際にレモンの香りを嗅いで自身の鼻で確かめてみよう。すっぱいレモンの香りが、文学の世界へぐっと引き込んでくれる。

また、展示室の中央には、江戸川乱歩の『人間椅子』の一節とともに、立派なアンティークチェアが置かれている。自由に座ってみよう。
一見するとただの椅子だが、『人間椅子』の内容に触れてから座ると、それはもうただの椅子ではないかもしれない。知ってしまったが最後、気づけば文豪が紡ぎ出す妖しくも魅惑的な世界の登場人物の一人になっていることだろう。
