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大谷翔平への“クレーム騒動”の真相 敏腕記者が明かしたスプリンガーの真意と「唯一の二刀流」の宿命

大谷翔平への“クレーム騒動”の真相 敏腕記者が明かしたスプリンガーの真意と「唯一の二刀流」の宿命

ドジャース・大谷翔平投手が「1番・投手」の投打二刀流で先発出場し、6回96球を投げ、4安打1失点(自責0)の好投を見せた8日(日本時間9日)のブルージェイズ戦。この試合でのあるシーンをめぐり、日米で大きな議論が巻き起こった。

事の発端は一回、ド軍が守備につく際の一幕だ。第1打席で四球を選んで出塁し、走者としてイニングを終えた大谷が、マウンドでの投球準備に入るまでの「時間」が長くなったことである。ネクストバッターズサークルにいたブ軍の先頭打者ジョージ・スプリンガー外野手が球審に歩み寄り、何事かを語りかける姿が中継映像に捉えられた。

これに対し、ド軍のデーブ・ロバーツ監督がベンチから不快感を示すようなリアクションを見せたことで、ネット上や一部メディアで「スプリンガーが大谷のタイムオーバーにクレームを入れた」と大騒ぎに発展したのだ。

ブルージェイズの地元放送局は中継内で「大谷は現在、投打両方を行う唯一の選手。相手チームは時折、大谷に時間が与えられすぎていることに不満を抱く」と言及。ロバーツ監督も試合後に「相手からすれば急がせたいだろうが、彼は特別(例外)だ」と語るなど、波紋は大きく広がった。

背景にある「大谷以外の打つ投手の絶滅」と「1秒単位」の厳格な時間管理

冷静に考えれば前の攻撃を塁上や打席、ネクストで終えた場合に、準備に時間がかかるのは当然のことである。捕手が走者としてイニングを終えた際、攻守交代の間にレガースなどの防具を着けて守備に就くまでに時間がかかるのと同じ理屈だ。打者用の防具を外し、息を整え、マウンドへ向かって肩を作る作業を数秒で行うことは物理的に不可能に近い。

さらに問題を複雑にしているのが、現在のMLBのルール環境だ。2022年にナ・リーグでもDH制が導入され、メジャーリーグから大谷以外の「打席に入る投手」が事実上消滅した。かつてのナ・リーグやナ本拠地での交流戦ではどのチームの投手も打席に立っていたため「お互い様」だった暗黙の猶予時間が、今では大谷ただ一人のための「特別扱い」のように見えやすくなっている側面がある。

それに追い打ちをかけるように、2023年からピッチクロックが本格導入され、時間は「暗黙の了解」から「1秒単位で管理されるもの」へと変わった。現在のMLBでは、イニング間の交代時間は厳密にタイマーで管理されている(全国放送かローカル放送かで異なるが、通常2分15秒)。投手がこの時間内に準備を終え、打者に対して投球動作に入っていないと「ピッチクロック違反」となり、自動的に1ボールが宣告されてしまう。打者や走者として全力でプレーした直後に、この短い制限時間内にすべての準備を終えるのは物理的に不可能だ。

審判の裁量による実質的な「二刀流特例」

この「二刀流特有のタイムロス問題」に対して、MLBはどのように対応しているのか。MLBのルール上、審判団は「特別な事情」がある場合、ピッチクロックのタイマーを止めたり、追加の時間を認めたりする権限(アンパイア・ディスクレッション)を持っている。

これが実質的な「二刀流特例」として運用されているのだ。大谷が直前のイニングで打席に立っていたり、走者としてイニングを終えたりした場合、審判は事情を考慮し、彼がマウンドに到着して規定の投球練習(ウォームアップ)を完了するまで十分な時間を与える。この際、時間超過によるペナルティ(1ボール)が科されることはない。

敏腕記者が明かした「スプリンガーの真意」

では、本当にスプリンガーは激怒して「クレーム」をつけていたのだろうか。この騒動について、米スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏が9日(日本時間10日)のポッドキャスト番組内で事の真相を明かした。

同氏は当事者周辺への直接取材の結果として、事態をこう説明している。

「今朝、直接関わった2人の人物から聞いたところによると、スプリンガーは全く不満を漏らしていた(クレームを言っていた)わけではなかった。ジョージ・スプリンガーは単に、球審に対して『大谷翔平には実際により多くのウォームアップ時間が与えられるのかどうか』というルールの明確化を求めていただけだった」

つまり、前例のない「二刀流」と厳格な時間管理ルールの狭間で、百戦錬磨のベテラン選手でさえ「どこまで待つのが正しいルールなのか」を確認せざるを得なかったというのが事の顛末だった。

単なるルールの確認作業が「クレーム騒動」としてここまで大きく報じられてしまうのも、大谷翔平が球界で「唯一無二」の存在であるがゆえの宿命と言えるだろう。

加えて、今回の一件が特に日本で過熱した背景には、スプリンガーの過去も影響していると推測される。彼はアストロズ時代(2017年)、「ゴミ箱叩き」によるサイン盗みスキャンダルでドジャースからワールドシリーズのリングを“盗んだ”メンバーの一人だ。当時ドジャースに在籍していたダルビッシュ有がその被害者となったことなどから、日本のファンの間ではスプリンガーをいまだに「悪役」として見る傾向が根強い。そうした心理的なバイアスも、今回の騒動をよりセンセーショナルに仕立て上げてしまった要因の一つと言えそうだ。

配信元: iza!

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