114作目となるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の放送が3月30日から始まった。Aぇ! groupの佐野晶哉は、主人公の1人である一ノ瀬りん(見上愛)のよき相談相手で、新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深い島田健次郎役で出演する。島田はどこかミステリアスな雰囲気で、謎が多いというキャラクター。今回が初の“朝ドラ”出演で、プライベートでも下駄で生活するなど徹底した役作りで現場に臨んでいる。注目はりんとの関係性で、「見上さんにどんな顔をさせるのか、それが1番の仕事だと思って現場に立っています」と話している。
「風、薫る」とは?
文明開化が進む明治時代を舞台に、実在したトレインドナース(正規に訓練された看護師)の大関和さんと鈴木雅さんをモチーフにしたバディドラマ。同じ看護婦養成所を卒業した2人の主人公、りんと大家直美(上坂樹里)が、悩み、ぶつかり合いながら成長していく姿を描く。
“朝ドラ”出演に祖母が涙、最高の「おばあちゃん孝行」
――今回演じられる島田健次郎という役についての印象や、演じていてやりがいを感じる部分はどこでしょうか
佐野「初めて衣装を着た写真が公式サイトで上がって、キャラクター紹介が『謎の青年』となっていました。それを見て僕も『あ、その感じで紹介されるんや!』と(笑)。でも、その登場の仕方がすごく魅力的やなと思いました。
昨日初めて、完成した映像の一部をチェックしたのですが、すごく『“朝ドラ”っぽいなー』という登場の仕方なんです。それこそ『謎の青年』という雰囲気満載の登場で、島田が一体何をしていて、何を目指し、どうこの物語に絡んでくるのかが全く見えないまま進んでいく。毎日15分ずつ楽しむ“朝ドラ”というシステムの中で、キャラクターが謎に包まれたまま進んでいくのは、演じていてもすごく面白いなと感じました」
――お芝居で「ここが楽しい」と感じるところは?
「最初はすごく根暗なキャラクターなのかなと思っていたのですが、実は一見とっつきにくそうに見えて、すごくとっつきやすい、愛すべきキャラクターだったりします。そういう二面性というか、人間臭いところが僕自身と似ている部分もあるのかな、なんて思いながら演じています」
――おばあさまから「いつ“朝ドラ”に出るのか?」と急かされていたそうですが、実際に報告された際の様子を教えてください
「もう、泣いて喜んでくれました。僕の家族がめちゃくちゃ仲良くて、今までも仕事が決まるたびにこまめに報告してきたのですが、デビューをかなえた瞬間と同じくらい、家族が喜んでくれました。
今回はちょっとサプライズにしたかったので、情報解禁まで家族にも黙っていたんです。そしたら、僕から何も言う前にばあばからいきなりビデオ通話がかかってきて(笑)。画面の向こうで泣きながら『うれしいわぁ、ほんまにおめでとう』と言ってくれて、最高の『おばあちゃん孝行』ができたなと胸が熱くなりました」
“朝ドラ”の先輩、正門良規に尊敬の念も
――メンバーの皆さんの反応はいかがでしたか?
「メンバーも全員、自分のことのように喜んでくれました。マネージャーからメンバー全員に情報共有されたのですが、みんなすごく盛り上がってくれましたね。
そのあと、たまたま(末澤)誠也くんとトイレで二人きりになった時、誠也くんが鏡越しに『来年はグループのことをよろしくな』と、めちゃくちゃ真面目な顔で言ってくれて。改めて責任の重さを感じて『がんばらなあかんな』と思いました」
――「スカーレット」に出演していた正門良規さんから、アドバイスなどはありましたか
「アドバイスというか、改めて正門くんを尊敬しましたね。正門くんが“朝ドラ”に出ていたのは6年くらい前ですが、当時は僕らもまだ関西でそんなにテレビに出られていない時期で、そんな中でオーディションで役を勝ち取っていたわけですから。普段はメンバー個人の仕事ってあまり見ないのですが、さすがに“朝ドラ”は見ましたね。大きなくしゃみをしたシーンは、いまだに覚えています。
正門くんは一番“朝ドラ”の話をしやすい相手で、『NHKのリハーサルってどんな雰囲気なん?』とか、“朝ドラ”特有の空気感や本読みの感じを、先輩としていろいろ教えてもらったりしています」
――「撮影前に準備できる時間がたっぷりあった」とのことですが、具体的にどのような準備を?
「今回、準備の時間をぜいたくにいただけました。島田が正体を明かしてくる頃に使う『小道具』を早めに借りて、家でもずっと触ってなじませたりしていました。
あとは下駄(げた)ですね。僕は普段あまり下駄を履かないので、事前に自分で買って、去年の夏場はプライベートでもずっと下駄で生活していました(笑)。コンビニに行くのもどこに行くのも下駄。おかげで所作というか、歩き方もしっくりくるようになりました。
髪型などのビジュアル面も時間があったので整えやすかったですし。これだけ何回も台本を読み込める時間はなかなかないのでありがたかったですし、物語の時系列に合わせて少しずつ変化させていくつもりなので、その変化もぜひ楽しみにしてほしいですね」
フランス語シーンはイキりながら
――島田健次郎という役や本作の「推しポイント」を教えてください
「島田は、なんといっても『不器用さ』が魅力だと思います。思ったことをズバッと言ってしまう一方で、肝心なところで一歩踏み込めなかったりする。キャラクター紹介に『りんの良き相談相手』とありましたが、彼の遠慮ない言葉や、明治時代なのに外国に目を向けている好奇心旺盛な部分が、りんさんの心の救いになっていくんです。この二人がどういう関係性に発展していくのか、ぜひ注目してください。
作品全体としては、今15週目まで台本を読み進めていますが、『努力って1人ではできひんな』というのを強く感じています。人間関係一つで、人生ってこんなに劇的に変わるんやなと。僕自身もいろいろな方に支えられて今の活動ができているので、台本を読みながら背中を押されるような感覚になる作品です」
――りんがナースになるか悩んでいる時に声をかける、第4週のシーンについて教えてください
「りんさんと2人のシーンは、撮影していても独特な空気が流れているんです。お互い意識し合っていないようで、でもどこか心の奥底で意識し合っているような絶妙な距離感。
りんは島田に対して、一番、素の状態で相談してくれていると思うんです。でも島田の方は、まだそんなに真面目に相談に乗ってあげようとは思っていなかったりして(笑)。その無責任さゆえに投げられる言葉が、逆に向こうの心に刺さったりする。りんさん、見上さんにどんな顔をさせるのか、それが僕の一番の仕事だと思って現場に立っています」
――フランス語で話すシーンもありますね
「フランス語はみっちりレッスンを受けました。準備期間が長かった分、本番はすごくやりやすかったです。完成した映像を見て、我ながら『無駄にかっこいいやつが登場したな!』と自画自賛してしまいました(笑)。
実は、日本語のセリフより緊張しなかったんですよ。島田自身が、フランス語をしゃべっている自分に酔っている、今の言葉でいうとイキって自分の知性をひけらかしている時間を一番楽しんでいると思うんです。だから僕も『どや、これだけしゃべれるんぞ』とイキりながら、かっこつけて演じました。その後の島田の弱い部分とのギャップを楽しみにしてほしいですね」
見上愛と意外な共通点
――女性陣は看護学校のシーンが本当の学校のようにワイワイしていると聞いていますが、現場はいかがですか?
「女性陣とはまったく違うかもしれないです(笑)。本当の学校のようにはしゃいでいるのではないですが、仲良く撮影しています」
――どんな話をされていますか?
「見上さんとは共通の友達がいて、僕の一番の親友と彼女が同じ大学出身という縁があって、最初はその友達の話題ばかりでした。
あと、槇村太一役の林裕太くんとは初日でめちゃくちゃ仲良くなって、もう3回くらいご飯に行きました。彼は僕が用意してきた芝居のテンポ感をいい意味でぶち壊してくれる。彼を受け止めるだけで自分の芝居も引き立つのを感じます。撮影後に2人で『今の芝居よかったなー』と褒め合ったり、次のシーンの打ち合わせをしたり。こんなに芝居の話を深くできる相手に出会えたのはなかったので、いい関係を築けていると思います」
――佐野さんにとっての“朝ドラ”のイメージと、今後の意気込みをお願いします
「ばあばが“朝ドラ”大好きで、僕が小学生、中学生の頃に毎朝、学校へ行く準備をしていると、必ずテレビから“朝ドラ”が流れていて。ばあばに見送られて家を出る、その景色の背景にはいつも“朝ドラ”がありました。その日常の風景に、今度は自分が届ける側として入り込めるのは本当にうれしかったです。
出演が決まってから過去の作品をいくつも見せていただき、『風、薫る』に自分が出演しているシーンも見て、『“朝ドラ”やー!』と感動します。今、Aぇ! groupにとっても本当に大事な時期に、大きなチャンスをいただけたとので、グループとしての責任感もあります」
――”朝ドラ”で好きだった作品はありますか?
「小学生のころに、初めてきちんと見たのは『カーネーション』です。それもばあばが好きで、よく見ていた記憶があります」
「風、薫る」作品情報
総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分
※土曜は1週間振り返り。
NHKBS 毎週月~金曜 午前7時30分~7時45分
BSP4K 毎週月~金曜 午前7時30~7時45分
※NHK ONE で同時・見逃し配信予定

