あの出来事は、今でもふとした瞬間に思い出して胸が締め付けられる、私にとって忘れられない後悔です。50代のころ、長年続いてきた大切な関係を、自分の意地で失ってしまいました。
ささいな誤解から生まれたすれ違い
私には、30年来の親しい友人のAさんがいました。気心が知れていて、何でも話せる存在でした。
ところがある日、ほんのささいな誤解がきっかけで口論になってしまいました。Aさんは涙ぐみながら「そんなつもりじゃなかったのに」と伝えてくれたのですが、当時の私はその言葉を受け止める余裕がありませんでした。
仕事や家庭のことで気持ちに余裕がなく、意地になってしまい、「もういいわ」と突き放してしまったのです。
取り戻せなかった時間
それから、仲直りのきっかけをつかめないまま、年月だけが過ぎていきました。
そんなある日、共通の知人からAさんが病気で入院していると聞きました。驚きと焦りの中で、すぐに会いに行こうとしましたが、私が駆けつける前にAさんは亡くなってしまいました。
最後に「ごめんね」と伝えることも、「ありがとう」と言うこともできませんでした。葬儀で遺影を見た瞬間、胸が締め付けられ、あの日の自分の態度が何度も頭をよぎりました。

