彼の機嫌を気にしてばかりの旅行
その夜、気持ちを切り替えようと翌日の予定を彼に確認しました。「明日は予約している体験があるから、並ばなくても大丈夫だよ」と伝えると、少し面倒くさそうに「混んでる場所は嫌だな。適当に食べ歩きして帰ろうか」と彼。
私はどうしても予定通り楽しみたくて、そのままのプランで行きたいと伝えました。けれど彼はどこか不機嫌そうなまま。
気づけば私は、彼の機嫌ばかりを気にしていました。楽しいはずの旅行なのに、どこかずっと一人でいるような感覚だけが残っていました。
私はこの旅行を思い返すたび、胸の奥が静かに重たくなります。楽しかった記憶よりも、一人で並んでいた時間や、冷えきった車内の空気ばかりが鮮明によみがえるからです。
旅行は、普段見えていなかった相手の一面が見えることがあります。非日常の中での言動は、その人の価値観や本質を、よりはっきりと映し出すものです。
当時の私は、「これくらい我慢すればいい」「せっかくの旅行だから空気を悪くしたくない」と、自分の気持ちにふたをしていました。大好きな彼と、少しでもこの旅行を楽しみたい。その気持ちが強くて、本音を飲み込んでしまっていたのだと思います。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)
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