適切なケアを続けても発熱が長引く場合は、原因の再評価や医療機関での精査が必要になることがあります。発熱の持続期間や随伴症状をしっかり確認することが重要です。ここでは、受診を検討すべきタイミングや、長引く発熱で疑われる疾患について、大人と子どもそれぞれの観点から解説します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
発熱が下がらないときの対処法
適切な対処をしても発熱が続く場合、原因の再評価や医療機関での精査が必要となることがあります。発熱の期間や程度、随伴症状に注目することが重要です。
受診を検討すべきタイミング
大人の場合、38.5度以上の発熱が3日以上続く場合は医療機関を受診することが推奨されます。市販の解熱剤を使用しても熱が下がらない、または一時的に下がってもすぐに上がる場合も受診の目安となるでしょう。呼吸困難感や胸痛、激しい頭痛、意識障害、持続する嘔吐や下痢などの症状を伴う場合は速やかな受診が必要です。また、基礎疾患(糖尿病、心臓病、免疫不全など)を持つ方は重症化リスクが高いため、早めの相談が望ましいといえます。子どもでは、生後3ヶ月未満で38度以上、生後3ヶ月から3歳未満で39度以上の発熱が続く場合は受診を検討します。けいれんを起こした、呼吸が速い、水分がまったく摂れないなどの症状も緊急受診の対象です。
長引く発熱で疑われる疾患
発熱が長引く場合は、感染症以外の病気も含めた評価が必要になることがあります。なお、医学的にいう「不明熱」は、一般に38.3℃以上の発熱が3週間以上続き、外来・入院での評価でも原因が特定できない状態を指します。
感染症では結核や感染性心内膜炎、肝膿瘍などの慢性感染症が考えられ、膠原病や血管炎などの自己免疫疾患、悪性リンパ腫や白血病などの悪性腫瘍も長引く発熱の原因となるでしょう。薬剤熱の可能性も検討が必要で、服用している薬剤の見直しが有効な場合があります。亜急性甲状腺炎や成人スティル病などの比較的まれな疾患も鑑別に入ります。不明熱の診断には血液検査、画像検査、培養検査などさまざまな検査が実施され、原因が特定されるまで時間を要することも少なくありません。
まとめ
発熱は身体からの重要なサインであり、原因や程度、随伴症状を総合的に判断して対応することが大切です。大人と子どもでは発熱の特徴や対処法が異なるため、年齢に応じた適切なケアが求められます。解熱剤は症状緩和に有効ですが、使用方法や副作用を理解したうえで適切に用いることが重要です。発熱が長引く場合や重篤な症状を伴う場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。日頃から感染予防と免疫力向上に努めることで、発熱のリスクを減らすことができます。気になる症状があれば、早めに医師に相談することをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「発熱時の対応」
日本小児科学会「こどもの救急」
日本感染症学会「一般市民の皆様へ 〜かからないために、かかった時のために〜」

