物語が絶体絶命のヤマ場を迎えるなか、思わぬ「不在」が視聴者をザワつかせた。12日に放送されたNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合など)の第14回は、メインキャストの1人である女優・浜辺美波の出番がゼロ、“ヒロイン”吉岡里帆もワンシーンのみの登場に。手に汗握る展開を称賛する大河好きのコメントが相次ぐ一方、推しの姿を拝めなかったファンも多く、ブーイングにも似た嘆きがSNSに寄せられた。
「豊臣兄弟!」とは?
天下人となる豊臣秀吉(池松)を補佐役として支えた弟・秀長(仲野太賀)の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
慶(吉岡里帆)の心ほぐすなか(坂井真紀)
吉岡が演じるのは、秀長の正妻・慶。のちに慈雲院と名乗ることになる人物で、激動の時代を生き抜き、やがて兄嫁の寧々(浜辺)とともに豊臣兄弟を支える存在となる。夫が大和国の統治を任されると、ともに大和郡山城に入り、夫の晩年まで連れ添う。第13回(5日放送)で小一郎のもとに嫁いできたが、前夫を戦で亡くしており、そのきっかけを作った小一郎や、織田家の面々を憎んでいる。また金で男を漁っている女狐とのウワサもあり、新婚早々、小一郎の結婚生活に暗雲が垂れこめている。
第14回では、のちに「金ヶ崎の退き口」と呼ばれることになる藤吉郎・小一郎兄弟の撤退戦を主軸にしたストーリーが展開。永禄13(1570)年4月、足利義昭(尾上右近)の命で、若狭・石山城の武藤友益を討つと見せかけ、一乗谷の朝倉義景(鶴見辰吾)討伐のために越前へ兵を進めた織田信長(小栗旬)に対し、義弟の浅井長政(中島歩)が謀反を起こした。朝倉と浅井に挟み撃ちにされる危機に瀕した信長は、深く信頼していた長政の裏切りに激怒。無謀な報復に出ようと血迷うが、見かねた藤吉郎が故意に自らの足を刀で傷つけ、「しんがり」を買って出ると、ようやく冷静さを取り戻して撤退を決意した。そこから小一郎のサポートと軍師・竹中半兵衛(菅田将暉)の秘策、蜂須賀正勝(高橋努)ら家臣団の奮闘で善戦した藤吉郎は、信長と本軍を無事に京へと逃がすことに成功した。
小一郎たちが深夜の山の中を逃げ回っている頃、無事を祈りながら帰りを待っていた母のなか(坂井真紀)は指先に刺さったトゲがなかなか抜けず、息子たちに何かよくないことが起こるのではと不安を抱いていた。翌日、なかが自宅の玄関先で、まだ抜けないトゲを抜こうと毛抜きを手に集中していると、音もなく慶が訪ねてきて「母様」と声をかけた。その声に驚いたなかは、毛抜きを勢いよく引っ張り、運よくトゲ抜きに成功。あれだけ苦労しても抜けなかったトゲが、「慶のおかげで」で取れたことを喜び、「あんだけ苦労しとったのに…。ありがとう、慶さんのおかげだわ!」と感謝した。慶は「いえ。私はただ、2・3日家を空けるので、そのことを…」と説明しようとするが、なかはその言葉が聞こえていないかのように「よかったわぁ。あんたはきっと私たちにええことを運んでくれる弁天様なんじゃわ」と大げさにたたえた。思いがけない言葉に面食らう慶だったが、その表情が、心なしか和らいだように感じた視聴者も少なくなかった。今後の展開を予感させる印象的なやりとりだったが、この日の慶の出番はこれだけ。ファンたちがSNSで
「ようやく吉岡里帆ちゃん」
「え…慶さんあれだけ?」
「吉岡里帆ちょっとしか出なかった」
などと残念がった。
また、ミステリアスな慶とは対照的に、キュートな魅力で殺伐とした戦国ドラマに爽やかな風を吹かせている寧々に至っては、出演シーンなし。
「今日の出演シーンどこー? (クレジットに)名前もない」
「美波ちゃんのかわいい寧々が見たかったのにぃ」
「なんか物足りないって思うたら、今週はねねが不在だった。来週は出るよね?」
「出番はなくとも! 目を閉じれば、まぶたの裏に寧々様のお顔が浮かぶのだ!」
「浜辺美波と、吉岡里帆を楽しみに見ているのに、今日は慶はワンシーンのみ。寧々に限っては出番なし。外れ回じゃんか」
といったコメントが集まった。

