脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「わが社は不祥事ゼロ」の過信 日本特有の“沈黙”が巨大リスクに変わる瞬間とは

「わが社は不祥事ゼロ」の過信 日本特有の“沈黙”が巨大リスクに変わる瞬間とは


“内部通報ゼロ”に潜むリスクとは?(画像はイメージ)

【豆知識】「えっ…知らなかった」 これが後輩からの“逆ハラ”のエスカレートを防ぐ方法です!

 近年、内部通報制度や相談窓口を設ける企業は増えていますが、「設置はしたものの、ほとんど利用されていない」というケースも散見されます。その背景には、声を上げることへの心理的なハードルや、「通報がない=問題がない」と捉えてしまう組織側の誤解があります。

 そこで、ガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)分野のソフトウェアを提供するグローバル企業のNAVEXが公表した最新データをもとに、グローバルな視点から日本における通報制度の現在地をひも解き、「見えないリスク」を「組織の進化を促す原動力」へと変えるための道筋を探ります。

 制度を単なる箱にとどめず、従業員が安心して声を届けられる文化を育むために、ビジネスリーダーが今取り組むべき「心理的安全性」と「テクノロジー」をいかに融合させ、風通しの良い組織を築くべきか、その具体的なヒントをご紹介します。

「通報ゼロ」に潜む経営リスクとは?

 日本企業において内部通報制度の導入は進んでいますが、その活用実態には世界と大きな「格差」が存在します。NAVEX「2026 内部通報・インシデント管理ベンチマークレポート」によると、世界全体での従業員100人当たりの通報件数は1.65件と過去最高を更新しましたが、日本に本社を置く組織では0.63件と、世界平均の半分以下にとどまっています。

 人事担当者が最も注意すべきは、この数字を「通報が少ない=我が社は健全である」という楽観視してしまうことです。この乖離(かいり)は、不満が存在しないのではなく、文化的な障壁や「言っても無駄だ」という諦念により、重大な不祥事の種が「沈黙」の中に隠されている可能性を強く示唆しています。放置された「沈黙」は、ある日突然、SNSでの告発や大規模な法的訴訟という形で爆発し、取り返しのつかないブランド毀損(きそん)を招く「潜在的リスク」なのです。

相談をためらわせる「周囲の目」と「対応への不安」

 従業員が通報をちゅうちょする最大の要因は、根強い「報復や不利益な扱いへの恐怖」にあります。これは嘲笑、停職、降格、解雇といった直接的な処遇だけでなく、職場での孤立や、「和を乱す裏切り者」というレッテルを貼られることへの不安に対し、従業員は極めて敏感です。

 NAVEXのデータによると、日本のハラスメント報告の頻度(15.90%)は世界の数値(4.62%)を大きく上回る一方、報復に関する報告の頻度(0.58%)は世界の数値(1.20%)を著しく下回っています。これは報復を恐れるあまり「報復を受けた事実すら報告できない」という日本特有の心理的障壁の裏返しと言えるでしょう。周囲との調和を重視するあまり、不正を指摘することが「和を乱す行為」と捉えられてしまう古い組織文化が、リスクの芽を摘む機会を奪っているのです。

 心理的障壁に加え、制度への信頼を揺るがすのが「対応スピードの遅さ」です。日本企業の調査完了までにかかる期間は中央値で73日間であり、世界全体の中央値(28日間)に比べ約2.6倍もの時間を要しています。通報した従業員にとって、声を上げることは勇気の要る決断です。それに対し、数カ月も進捗が不透明であったり、フィードバックが欠如していたりすれば、通報者は「自分の声は無視された」「組織は真剣に対応していない」と認識してしまいます。こうした対応の長期化は、「声を上げても無駄だ」という無力感を組織に定着させ、制度への信頼を根本から崩すボトルネックとなります。

配信元: オトナンサー

提供元

オトナンサー

「オトナンサー」は「ライフ」「漫画」「エンタメ」の3カテゴリーで、暮らしに話題と気づきをお届けするウェブメディアです。Yahoo!ニュース配信中!