「【悲報】この新社会人さん 本日で退職が確定しました」。13日、Xにあるユーザーが投稿したこの一文が、14日午前9時半現在で2200万表示を記録する爆発的な反響を呼んでいる。反応が集まったとみられるのは、次の「週5で朝の満員電車が辛かったとのこと」という理由。SNSには共感や批判だけでなく、さまざまな視点からの反応が寄せられている。
このユーザーは新年度から新人が現場配属される職場にいるとみられ、3月31日には「明日午後から現場に配属される新人の子が来るの地味に楽しみだな」とも投稿していた。満員電車という身近な理由での早期退職は瞬く間に拡散。さらに同日、投稿者本人がXで「仕事辛くて辞めたくなったら即辞めていいよ 正直困るけど周りのことなんか気にするな」とフォローアップし、議論をさらに加速させた。
なぜ満員電車はこれほど辛いのか
満員電車だけに限った話ではないが、対人距離に関する研究と言えば、米国の文化人類学者エドワード・ホールが1966年に提唱した近接空間学(プロクセミクス)が有名だ。ホールの理論によると、人間には「パーソナルスペース」と呼ばれる距離感覚があり、4つのゾーンに分類される。最も内側の「密接距離(0〜45cm)」は抱擁や接触が発生する親密な関係専用の領域で、「個人距離(45〜120cm)」は家族や親しい友人との距離とされる。満員電車では、本来は恋人やごく親密な人にしか許されない「密接距離」の領域に赤の他人が侵入するため、強いストレスが生じるとされる。
「満員電車のストレスは一説によると、戦場並みらしいのでしゃーない」というXの声はこうした理論とも重なり、「慣れてる人がバグってるだけ あれがまともな環境なわけがない」という見方も出ている。
「通勤で気力8割なくなる」
そういうこともあり、共感を示す声は多岐にわたり、
「わかるよ、通勤で気力8割無くなるもんね。残りの2割で仕事してるの」
「田舎から出てきて週5で埼京線とかの満員電車は嫌になるのは分からんでもない」
「まあ、満員電車手当くらい欲しいよなと思うことはあります。あれで体力削られる理不尽がまた」
「合わないなら合わないで早めにそういう環境から離れるのもひとつの手やと思うけどね」
と退職者を気遣うコメントが続出した、なかでも多くの共感を集めたのが、
「考えてみれば大卒の社会人として大学4年間遊んで過ごして午後から授業の日もあってそんなのが4月1日から『はい、週5日 朝9時から 8時間労働!』って言われても『無理やん』って心折れてメンタル粉々の真っ白な灰になる人もおるわな」
「新社会人がつらいのは、『働くこと』自体じゃなくて、慣れないシステムにいっぺんに適応しないといけないことだと思う 決まった時間に働く(9時から5時、それ以上も) 上下関係や職場のルール、責任のプレッシャー 通勤の肉体的な疲れ 自分の時間がめっちゃ減ること」
「事前にわかるはずでは」
一方、批判的な意見も一定数見られた。
「マジでさ、採用する側から見るとさ履歴書見て1週間で辞めたやつなんて採用する気にならんのだよな....」
「それは家の近所にオフィスがあるとかじゃない限りどの会社に行ってもそうだと思うけど、その人これからどうするんだろう」
入社前から通勤環境はある程度予測できたはず、という現実的な指摘も多く、「甘すぎ」という声と「無理なものは無理」という声が鮮明に対立した。さらに
「職業体験としてキッザニアで『満員電車』というのを用意した方がいいかも。あるいは企業が採用面接するときは通勤ラッシュの時間にやるようにするとか」
と採用プロセスに踏み込んだ提案も。
「社員福祉舐めきって通勤問題放置した東京都市圏企業の社会問題でもあるからなあこれ」
「私も東京にいた頃は毎日満員電車に往復2時間乗ってましたけど人生の無駄遣いでしたねアレは」
といった問題提起も見られ、社会的議論へと広がりを見せている。
2200万表示という数字が示すのは、この退職が「特殊な事例」ではなく、多くの人が心の奥で抱えていた「言えなかった本音」に触れたということかもしれない。

