太陽接近でも崩壊の可能性は低いと予測
彗星は太陽に近づくと内部の氷が昇華し、ガスや塵を放出します。これが太陽光を反射して明るく輝き、コマや尾として見えます。ただし、接近しすぎると強烈な熱と重力によって崩壊することも珍しくありません。
最近も、太陽に極端に接近した「太陽接近彗星」が、途中で蒸発するケースがありました。彗星は凍ったガスや塵の集合体で構造が脆く、接近の仕方によっては分裂や消滅を起こします。
一方、パンスターズ彗星は太陽から約0.5天文単位という比較的安全な距離を通過する見込みです。そのため、最近蒸発してしまったMAPS彗星のように崩壊する可能性は低いと考えられています。
とはいえ、彗星の明るさは直前まで変化することも多く、実際の見え方は当日次第という面もあります。
肉眼観測のカギは暗い空、双眼鏡があればより確実
観測の成否を分けるのは空の暗さです。都市部では街明かりの影響を受けやすいため、郊外や高台、海沿いなど東の空が開けた場所が理想的です。
双眼鏡があれば、成功率は上がります。特別な天体望遠鏡は不要で、一般的な双眼鏡でも十分。見える場合は星のような点ではなく、淡くにじんだ光として確認できます。
17万年ぶりに太陽へ接近しているパンスターズ彗星。観測の可能性がある期間はわずか数日しかありません。少し早起きして東の空を見上げれば、いつもとは違う夜明け前の景色に出会えるかもしれません。

