言葉は自由で面白い!今から書いてみよう!

― 影響を受けた作家はいますか?
井戸川さん:いろいろですが、最近は海外の女性作家をめちゃくちゃ読んでます。ハン・ガンとか、イーユン・リーとか。教員になった時に「自分は全然本を読んでいない」と思って、めちゃくちゃ読んだんですよ。だから言葉が湧き出て詩を書けたっていうのは絶対あると思いますね。
― 庄野潤三は読みますか?
井戸川さん:え、短編の?
― あ、そうです。『プールサイド小景』とか。僕、最初井戸川さんの日常を切り取る視点が庄野潤三に近い部分があるなと思って。
井戸川さん:へ~今度また読み直してみます。
― 今は情報が溢れる時代ですが、言葉に対して思うことはありますか?
井戸川さん:ニュースの切り取り方や見出しは正確でわかりやすいものが求められると思います。まあ、それを学生時代に習うんだろうなとも思うし。一方で今ZINEとか流行ってるじゃないですか。そういう自由に書きたいっていう欲求はみんな持っていると思う。私自身、文章を書くことで自由を感じて生きやすくなった一人なので、詩からでもいいから書いてみたらいいんじゃないかなと思います。
― 最後にメッセージをお願いします。
井戸川さん:詩を書き始めた当初、忘れたくないと思うことを書いていたんですよ。でも書いたら忘れてもいいんだと思ってすごく楽になった。やっぱり、書いてみたら分かるっていうこともあるんじゃないかなと思います。
井戸川射子 プロフィール
1987年生まれ。詩人・小説家。関西学院大学社会学部を卒業後、高校の国語教師として勤務する傍ら、詩や小説の執筆を始める。2019年、第一詩集『する、されるユートピア』で第24回中原中也賞を受賞。2021年、小説集『ここはとても速い川』(講談社)で第43回野間文芸新人賞受賞。2023年、『この世の喜びよ』(講談社)で第168回芥川賞受賞。
あとがき井戸川さんに北海道に来たことがあるかを聞いてみたところ、修学旅行の引率と、あとは「RISING SUN ROCK FESTIVAL」で、という回答があった。バンド、何が好きなんだろう。

