少し前の出来事ですが、今でも思い出すと顔から火が出そうになる体験があります。当時の私は、なぜか無性にパンに夢中になっていて、休日になると家族と一緒にショッピングセンターやスーパーを回り、パンコーナーをのぞくのがちょっとした楽しみになっていました。
パン好きが高じた「試食めぐり」の日々
そのころの私は、いろいろな店のパンを食べ比べることに喜びを感じていました。試食が用意されていると、つい一つだけでなく、いくつも手に取ってしまうこともありました。
今振り返ると少し行き過ぎていたかもしれませんが、当時はそれが当たり前の楽しみになっていたのです。
老舗デパートで起きた思い込みの失敗
ある日、家族4人で少し格式のある老舗のデパートへ出かけました。いつものようにパンコーナーへ足を運び、並んでいる商品を眺めていたときのことです。
カットされた状態のパンが目に入りました。その瞬間、私は深く考えることもなく「試食だ」と思い込み、迷いなく手に取り、そのまま口に運んでしまいました。しかし、次の瞬間、店員の方が驚いた表情で声をかけてきました。
「失礼ですが、お客さま……それは商品なのですが……」
そのひと言で、ようやく自分の勘違いに気付きました。

