内房保田港の村井丸は、釣り人の心をくすぐるターゲットや釣り方を四季に合わせて提案するユニークな船宿。
例えば春期にLTタイ五目船の顔となる魚は、なんとクロダイだ。
ポイントは保田沖の水深25~30m。
この付近は3~5月にクロダイの一大乗っ込み場となり、船からのビシ釣りで良型がバリバリ上がる。
釣りのツボは底スレスレのタナ取り。
ハリス全長6mのビシ仕掛けを下ろし、まずは砂泥底に向けてコマセを振りまく。
そして底から2~3mほど上げればタナ取り完了。
付けエサのオキアミは海底に横たわってしまうがそれでいい。
底に散らばるコマセをクロダイがついばむうちにエサバリもパクリ、というわけだ。
取材した3月下旬も1~1.5kg級が7~10枚という激釣ぶり。
このおもしろさは体験する価値がある。

波穏やかな保田沖で、四季折おりの釣り物を楽しませてくれる村井丸
「保田・村井丸のライトタイ五目船で良型クロダイが釣れまくってますよ」
そんな連絡を編集部から受け取ったのは3月中旬。
浅場に乗っ込みクロダイの群れが集まる時期らしい。
ライトタックルで良型の引きをたっぷり堪能できるそうな。

「船クロダイ」は内房の風物詩的存在
開始早々全員キャッチ!
勇んで出かけた3月17日は、低気圧が去って穏やかな日並みになるとの予報。
朝5時、釣具店も併営する村井丸の店舗で受付を済ませ、オキアミブロックを購入して保田港の乗船場へ車を走らせる。
当日は3号船が「LTタイ五目船」となっており、私を含めて5名が集合。
空が明るくなると雲が多めながらも穏やかな天気、志村秀行船長の操船で6時に出船となった。
「ポイントはすぐそこです。開始の合図でカゴを底まで下ろしたら1m巻いてコマセを振り出し、そこから2m巻いて待ってみてください」
つまりタナは底から3mだ。
当船は道糸がPE3号以下、カゴはプラ製FLサイズ以下、オモリは40号で統一。
ハリスは2~3号6m、ハリはチヌ2~3号など。
アミコマセは船に用意されていて、店で購入した付けエサ・コマセ兼用のオキアミブロックを混ぜて使用する。
「エサのオキアミは尻尾をきれいに切り、ハリを7~8mm刺し通して腹側に抜いてください。あまり深く刺すとオキアミが曲がって、落下中に回転して手前マツリの原因にもなります」
船長のていねいな説明が終わるころにはポイントに到着。
「やってみてください。水深は25m」
まずはみなさんの写真を撮ろうと、操舵室の横で船長の話を聞きながら待機する。
「昨日の日曜日はトップ上限の10枚が2人。船中合計70枚を超えましてね。マダイやイシダイ、カンダイ(コブダイ)なども交じりました。今日もそこそこ釣れますよ」
ポイントについて聞くと、「港から目と鼻の先にあるこの場所は、小さな根の際にあるカケ上がりの砂底。エサ取りもけっこういます」
そんな説明を聞いているそばから、左舷トモの中野さんにヒットした。
「リールの電源を確認していたらいきなり竿が突っ込みましたよ」。
タモに収まったのは1kg級のクロダイだ。
続けてすぐにミヨシの両舷で同時にヒット。
右の関口さん、左の矢沢さんの順に、1kg超えが取り込まれる。
時計を見れば6時20分。
スタートから10分ほどで3枚連発という凄い展開だが、その後またもや矢沢さんの竿が曲がって、2枚目、3枚目を立て続けに食わせてしまった。
「毎年来てまして最高は9枚。モゾモゾといった感じのアタリがおもしろくてハマったんですが、今日は明確にアタって釣れてきますね」
コメントを聞いているうちに、右舷トモの岡田さんも1kg超えのクロダイをヒットさせ、私を除く4名がすべて型を見た。
右舷ミヨシの関口さんが2枚目を上げた後、45cmを超える見事なイトヨリダイもキャッチ。
船長いわく「脂が乗ってうまいよ」とのこと。

きれいな潮が差す内房のクロダイは臭みもなく美味
知っ得! 船長に聞くクロダイ釣りのアドバイス
「宙を狙うマダイとは違って、クロダイはエサを底に着けるイメージで釣ります。よってコマセカゴは底からハリスの半分くらい上に位置させるといいでしょう。ただしベッタリとエサを底に着けっぱなしにせず、時どきフワッと漂わせるように誘います。よく釣る人は誘い方も上手ですね。アタリもマダイとは違って小さいので、何か異変を感じたらゆっくりと聞き上げてみてください」

底に付けエサを這わせて待つ

