人の波に立ち尽くす
視界いっぱいに広がるのは、とにかく人、人、人。
信号が青に変わると、一斉に人の波が動き出し、四方八方から人が歩いていきます。
その迫力に圧倒されて、私たちは流れに乗ることもできず、思わずその場に立ち尽くしてしまいました。どこを見ても人がいて、どこへ進めばいいのかもわからない。まるで別の世界に迷い込んだような感覚でした。
「お祭りなの?」の一言
そんなとき、友人のひとりがぽつりとひとこと。
「今日って、お祭りなの?」その言葉に、一瞬きょとんとしたあと、みんなで思わず笑ってしまいました。けれど同時に、「確かにそう見える!」とも思ったのです。
田舎から出てきたばかりの私たちにとって、東京の人の多さは本当にお祭りのようでした。あの日の私たちの目には、東京は毎日がお祭りのように映っていたのです。

