筆者の知人Aさんの息子は現在単身赴任中。そんな中、「独り身のお義母さんが心配だから」と、敷地内に家を建てたいと言ってくれた嫁。その思いやりに胸を打たれ、土地や費用まで差し出したAさん。しかしその優しさは、思いもよらない形で利用される結果になったのです。
嫁の言葉を信じた
一人暮らしで寂しさを感じていた私は、「お義母さんが心配」という嫁の言葉に心を動かされ、思い切って「土地を半分あげるから、そこに家を建ててくれたら嬉しいわ」と伝えました。すると嫁は「ありがとうございます!」と何度も頭を下げて喜んでくれました。
建築途中には、「予想以上に建築費用が高くなりそうなので、少しお金を貸してもらえませんか」と相談もあり、私はかわいそうに思い、何割か費用を負担しました。
その後、孫が生まれ、嫁は仕事に復帰。すると「今日も仕事が忙しくて遅くなりそうです」と言い、毎日のように孫を預けに来るようになりました。最初は孫と過ごせるのが嬉しく、喜んで引き受けていました。
けれどそれが毎日続くうち、正直しんどいと感じるようになったのです。
本音を伝えた瞬間
ある日、私はやんわりと伝えました。
「最近少し体力的にきつくてね……毎日は難しいかもしれないわ」
すると嫁は、一瞬きょとんとしたあと、少し不機嫌そうな顔でこう言ったのです。
「でも、ここに住むってそういうことですよね?」
思わず言葉を失う私に、さらに畳みかけるように続けました。
「お義母さんが一人で寂しいって言うから、わざわざ近くに家を建てたんですよ? それに保育園代も浮くし、お互い助かる形だと思ってましたけど」
そして、ため息まじりにこう言ったのです。
「正直そのつもりでここに来たので、今さら困ります」
その言い方は、“お願い”ではなく、最初から決まっていた前提のようでした。
私は戸惑いながらも、「保育園に預けることは考えていないの?」と聞いてみました。すると嫁は驚いたような顔をして、こう言ったのです。
「保育園代、もったいないじゃないですか」
さらに、あっさりと続けました。
「何のためにここに住んだと思ってるんですか? 子育てをみんなでするためですよ」

