片足だけが腫れていることに気づいた場合、深部静脈血栓症の可能性を念頭に置きながら、いくつかのポイントを確認することが大切です。腫れの程度や範囲の観察、痛みや熱感の有無、発症前の状況を振り返ることなど、受診前に把握しておくべき確認事項について、具体的にご紹介します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
片足の腫れに気づいたときの確認事項
片足だけが腫れていることに気づいた場合、深部静脈血栓症の可能性を念頭に置きながら、いくつかのポイントを確認することが大切です。
腫れの程度と範囲の観察
腫れがどの程度広がっているか、どの部位が最も腫れているかを確認します。足首だけなのか、ふくらはぎ全体なのか、太ももまで及んでいるのかによって、血栓の範囲をある程度推測できます。また、指で押したときにへこみが残るかどうかも重要な観察点です。へこみが残る場合は浮腫が強いことを示しており、血流障害の程度が大きい可能性があります。左右の足を見比べて、明らかに太さが違う場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。
痛みや熱感の有無
腫れに加えて痛みや熱感がある場合は、深部静脈血栓症の可能性がさらに高まります。痛みがどの動作で強くなるか、安静時にも痛むかを確認し、触れたときに熱を持っているかをチェックします。反対側の足と比べて明らかに温度が高い場合は、炎症反応が起こっていることを示唆します。こうした複数の症状が重なる場合は、速やかに受診する必要があります。
発症前の状況を振り返る
腫れが現れる前に、長時間の移動や手術、外傷、長期臥床といったリスク要因があったかを振り返ることも重要です。こうした背景があると深部静脈血栓症の可能性が高くなります。また、最近始めた薬や、妊娠・出産の有無なども関連する情報です。医療機関を受診する際には、こうした情報を正確に伝えることで、診断がスムーズに進みます。
まとめ
深部静脈血栓症は、ふくらはぎの痛みや片足だけが腫れるといった特徴的なサインを見逃さないことで、早期発見が可能です。こうした症状に気づいた際には、自己判断でマッサージをしたり放置したりせず、速やかに医療機関を受診することが重要です。適切な診断と治療により、肺塞栓症といった重篤な合併症を予防し、後遺症のリスクを減らすことができます。日常生活では長時間の同一姿勢を避ける、十分な水分を摂取する、リスク要因を把握しておくといった予防対策を心がけることで、血栓形成のリスクを下げることができます。気になる症状がある場合は、循環器内科や血管外科を受診し、専門的な評価を受けることをおすすめします。
参考文献
日本循環器学会「肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン」
国立循環器病研究センター「静脈血栓塞栓症(急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症)」
厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」

