認知症の初期段階で進行を抑える予防法と介護方法

認知症の初期段階で進行を抑える予防法はありますか?
認知症の進行を抑えるためには、脳への刺激と健康的な生活習慣の維持が重要です。食事面では、塩分を控え、野菜や青魚を積極的に取り入れる食事が推奨されます。運動面では、ウォーキングなどの有酸素運動が脳の血流を改善し、認知機能の低下を抑える可能性が示唆されています。また、社会的な交流を絶やさないことも重要です。友人との会話や地域活動への参加、趣味の継続などは脳を活性化させます。計算ドリルやパズルなども有効ですが、何よりも楽しんで取り組む工夫が継続のコツです。五感を刺激し、新しいことに挑戦する姿勢が脳の若々しさを保つ助けとなります。
初期の認知症の家族に接する際の注意点はありますか?
認知症の家族と接する際に大切なのは、本人のプライドを傷つけないことです。物忘れを厳しく指摘したり、何度も同じことを聞かれて声を荒らげたりするのは逆効果です。本人は忘れたくて忘れているわけではなく、思うようにできない自分に対して誰よりも不安と焦りを感じています。感情的に責めてしまうと本人は自信を失い、うつ状態になったり、周辺症状(BPSD)が悪化したりする恐れがあります。接する際は否定しない・叱らない・説得しようとしないことを意識し、本人の言葉をまずは肯定し、寄り添う姿勢が心の安定につながるでしょう。
初期の認知症の家族の介護はどのようにすればよいですか?
初期の介護では、何でも代行するのではなくできることは本人が自分で行える環境づくりが重要です。例えば、料理をすべて作ってあげるのではなく野菜を切るなどの簡単な工程を手伝ってもらうことで、脳の機能を維持できます。生活環境を整えることも大切で、カレンダーやメモを目立つ場所に配置したり、持ち物に名前を書いたりなどの工夫を凝らしましょう。また、介護者一人がすべてを抱え込まないことが持続可能な介護の秘訣です。ケアマネジャーと連携し、デイサービスなどの介護保険サービスを早期から導入すると、本人は社会的な刺激を得られ家族はリフレッシュする時間を確保できます。
編集部まとめ

認知症は、正しい知識と適切な対応によって向き合うことができる病気です。初期症状を正しく理解し、落ち着いて対応することで、穏やかな生活を長く続けられる可能性があります。
歳だから仕方ないと片付けず、日々の変化に寄り添う温かい視点を持つ考え方がケアへの第一歩となります。まずは、地域の窓口や認知症専門の医師に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
一人で悩まず、周囲のサポートを活用しながら、本人にとって適切な環境を整えていくことが明るい介護生活を実現する道しるべとなります。
参考文献
自治体で取り組む 共生に向けた認知症早期発見・早期介入実証プロジェクト研究(J-DEPP) 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 認知症発症/ 進行のリスク 早期発見の手引き
知っておきたい認知症の基本|政府広報オンライン
認知症疾患医療センター|独立行政法人国立病院機構 北陸病院
「もの忘れ」は、老化と認知症でどうちがう?|日本科学未来館
高齢者の判断能力の診断、評価について
もの忘れと認知症|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
地域在住高齢者の認知機能スクリーニングのための時計描画テスト ―定量的および定性的評価による検討―
認知症とともに生きる
あたまとからだを元気にする MCIハンドブック
認知症の人と接するときの心がまえ|厚生労働省
認知症を患う人を支えるご家族の方へ

