スキルス胃がんを早期発見するための予防策とは?メディカルドック監修医が、定期検診の推奨頻度や、発症リスクを高めるピロリ菌除菌の重要性について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『女性に多い「スキルス胃がん」は”ステージ3”で症状や生存率はどうなる?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
スキルス胃がんのステージ3とは?
一般的な胃がんは胃粘膜が隆起したような腫瘍を形成しますが、スキルス胃がんの場合は胃壁が肥厚し固くなりながら広がっていくのが特徴です。
隆起性の病変よりも内視鏡で診断しにくい場合があり、また初期には自覚症状が出ないことも少なくありません。そのため、スキルス胃がんは進行した状態で発見されることが多いがんといえます。
では、どのような症状を自覚したら胃がんが疑われるのでしょうか。また、もし発見時にステージ3のスキルス胃がんと診断されたら、生存率はどれくらいなのでしょうか。
主な症状
胃がんは胃の粘膜から発生するがんの総称で、スキルス胃がんについても一般的な胃がんと症状に大きな差はありません。
胃がんの患者さんに多い自覚症状としては、下記のようなものがあります。
胃の痛み
胃部不快感
胸やけ
嘔気
食欲不振
その他、胃がんがもとで出血が起きている場合の症状としてみられるのが貧血・黒色便(血便)です。
ただし、胃がんは症状が現れにくい場合もあり、また胃の粘膜に炎症や潰瘍が起きている場合にも上記のような症状が現れる可能性があります。
生存率
2009〜2011年の地域がん登録生存率データによると、胃がん全体での5年相対生存率は66.6%です。これは、胃がんと診断された患者さんが5年後に生存している割合を、日本全体での生存率と比較した指標です。
しかし、同じがんでも病気の広がりにより5年相対生存率は大きく変化します。例として、1993年〜2011年の診断例を対象とした地域がん登録によるがん生存率データをもとに一般的な胃がんのステージごとの5年相対生存率を記載します。
まず、がんが胃の組織内に限局している場合の5年生存率は96.7%ですが、周囲のリンパ節に広がっている状態では 51.9%です。
さらに、がんが離れた臓器に転移している場合には 5年相対生存率は6.6%にまで下がります。
このなかでステージ3に該当するのは、がんが周囲のリンパ節に広がっているものの遠隔転移はない状態です。
ただし、スキルス胃がんは一般的ながんよりも進行が速い傾向にあり、腹膜播種も起こしやすいとされています。腹膜播種とは、腹腔内にがん細胞が散らばり成長することをいいます。
このような点も踏まえると、ステージ3のスキルス胃がんは一般的なステージ3の胃がんよりも5年生存率が低い可能性があります。
スキルス胃がんの予防と早期発見のポイント
胃がんは自覚症状が出にくく、特にスキルス胃がんでは発見時にすでに進行しているケースも珍しくありません。
では、スキルス胃がんを予防・早期発見するためにできることはあるのでしょうか。
定期的に検診を受診する
無症状のうちに胃がんを発見するためには、定期的に検診で胃X線検査や胃内視鏡検査を受けることが有効です。
推奨される頻度については明確なデータはありませんが、2年に1回程の胃がん検診を推奨する医師が多いといわれています。
なお、早期胃がんの治療後などリスクの高い方は、1年に1回の検診が推奨されます。
ピロリ菌を除去する
多くの胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ菌への感染が原因で起こるといわれています。そのため、ピロリ菌の検査で陽性を指摘された場合には、薬剤により除去することが予防につながるでしょう。
ピロリ菌の検査には、内視鏡検査と同時に行うもののほか呼気・血液・尿・便を用いるものがあります。
また、胃がんの発症には過度のアルコール摂取・喫煙習慣・肥満などが関わっているといわれています。
そのため、健康的な生活習慣を身に付けることも胃がんの予防に有効と考えられるでしょう。

