初のアジア制覇まであと2勝。アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)で日本勢唯一の勝ち残りとなったJ1町田ゼルビア。中東の強豪を次々と撃破する快進撃に、今、海外メディアやAFC(アジアサッカー連盟)から「元高校教師がプロを凌駕している」と驚きの声が殺到している。
J1町田は21日(日本時間22日未明)、サウジアラビアのジッダでACLE準決勝のアルアハリ(アラブ首長国連邦)戦に挑む。
神戸が20日に前回王者のアルアハリ(サウジアラビア)に1―2で敗れたため、日本勢で唯一の勝ち残りとなっている。
初のアジア制覇を目指す町田は17日の準々決勝で地元のアルイティハドと対戦し、ロングスローから生まれた1点を守り切って準決勝へと駒を進めた。
ロングスローを起点とした攻撃は、黒田剛監督(55)が青森山田高を率いていた時からの得意の戦術。同監督が2022年まで青森山田高を率いていて、23年に当時J2だった町田でプロ監督としてのキャリアをスタートさせたことは、日本のサッカーファンにとっては周知の事実だが、アジアの頂点まであと2勝と迫ったことで、海外のメディアも黒田監督の異例のキャリアに注目し始めた。
AFCの公式サイトは、黒田監督について「元高校の指導者からプロの戦術家へと転身した人物」と形容し、その特異なバックグラウンドを大々的に報じた。
さらに、アジアの舞台でも快進撃を続ける町田の強さの要因について、「黒田はプロフェッショナルとアマチュアのハイブリッドとも言える感覚をチームにもたらした。かつてJ2の中位をさまよっていたクラブを、彼の教室での教えと独自のアプローチが完全に作り変えたのだ」と、高校サッカー部の指導者としての経験がプロの舞台でも生きていると称賛した。
こうした海外の熱狂ぶりに対し、日本のSNS上では「我々日本人は町田の黒田監督をよく知っているけど、データだけで判断する海外の初見サッカーファンからは『ついこの前まで高校教師で、サッカー部の監督だった人』のような紹介をされていて面白い」といった声が上がっている。
とはいえ、日本国内でも2023年の監督就任当初は、プロ経験のない高校サッカーの指導者がJリーグのクラブを率いるという極めて異例の起用に、大きな驚きの声が上がっていた。その後、黒田監督が瞬く間にプロの世界でも圧倒的な成功を収めたことで、プロ野球ファンからも「これなら大阪桐蔭の西谷(浩一)監督に阪神の監督をやってもらおか」という冗談が飛び出したほど、日本のスポーツ界全体の常識を覆すインパクトを与えた歴史がある。
異例のキャリアで旋風を巻き起こしてきた指揮官の采配が、アジアの頂点を決める舞台でいよいよ真価を発揮する。
■黒田剛監督 略歴

