「何色」の鼻水が出たら要注意? 風邪の原因が「細菌」か「ウイルス」かを見分ける方法

「何色」の鼻水が出たら要注意? 風邪の原因が「細菌」か「ウイルス」かを見分ける方法

風邪の症状が細菌によるものかウイルスによるものかは、治療方針を決めるうえで重要なポイントです。本章では、症状の特徴や医療機関での検査方法をもとに、両者を見分けるための手がかりをご紹介します。自己判断だけでは判断が難しい場合もあるため、医師による診察の重要性についても合わせてお伝えします。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

細菌感染とウイルス感染の見分け方

風邪症状が細菌によるものかウイルスによるものかを見分けることは、適切な治療を選択するうえで重要です。ただし、症状だけでは判断が困難な場合も少なくありません。

症状から見る鑑別のポイント

ウイルス性の風邪は、比較的軽度の発熱(38度前後)、鼻水、くしゃみ、喉の違和感といった症状が徐々に現れ、全身症状は軽度であることが多いです。一方、細菌感染では高熱(39度以上)が急激に出現し、強い咽頭痛や扁桃の腫れ、膿の付着などが見られることがあります。鼻水の性状も判断材料の一つで、透明でサラサラした鼻水はウイルス性を、黄色や緑色の粘性の高い鼻水は細菌感染を疑う所見とされています。ただし、これらの症状は重複することも多く、症状だけで確実に区別することは困難です。特に子どもや高齢の方では典型的な症状を示さない場合もあり、慎重な評価が求められます。

医療機関での診断方法

医療機関では、問診と身体診察に加えて、必要に応じて検査を行い総合的に判断します。血液検査では白血球数やCRP(炎症反応の指標)を測定し、細菌感染の可能性を評価します。細菌感染では白血球数が増加し、特に好中球の割合が高くなる傾向があります。咽頭の培養検査や迅速抗原検査により、溶連菌などの特定の細菌を検出することも可能です。胸部X線検査は肺炎の有無を確認するために実施されます。ただし、これらの検査にも限界があり、結果が出るまでに時間がかかる場合もあります。医師は症状の経過、身体所見、検査結果を総合的に評価し、抗生物質の必要性を判断しています。患者さんは自己判断せず、医師の診断と治療方針に従うことが大切です。

まとめ

抗生物質は細菌感染症の治療に不可欠な医薬品ですが、風邪などのウイルス性疾患には効果がなく、不適切な使用は腸内細菌叢を乱し、薬剤耐性菌を生み出す原因となります。処方された抗生物質は指示通りに最後まで飲みきり、残薬を自己判断で使用しないことが重要です。症状や疑問があれば医師や薬剤師に相談し、抗生物質の適正使用を心がけることで、自分自身の健康と将来世代のために有効な治療手段を守ることができます。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関を受診し、専門家の診断を受けることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」

国立感染症研究所「薬剤耐性菌感染症」

日本化学療法学会「抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス」

配信元: Medical DOC

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