ある日、親族の法事に妻と孫を連れて出席しました。久しぶりに顔を合わせる親族も多く、懐かしさと同時に、どこか背筋が伸びるような空気の中での出来事です。
静寂に包まれた本堂でのひと言
法事が始まり、本堂には読経の声だけが静かに響いていました。親族一同が手を合わせ、厳かな時間が流れていたそのときです。
ふと横を見ると、まだ幼い孫が祭壇に飾られた遺影をじっと見つめていました。そして次の瞬間、「ひいおじいちゃん、今日も寝てるの?」と、場にそぐわないほどの大きな声で言ったのです。
一瞬で空気が凍りつき、私は思わず息をのむほど驚きました。
凍りついた空気と、思わぬ反応
慌てて孫を抱き寄せ、声を抑えようとしましたが、すでに遅く、周囲の親族の間には微妙な沈黙が流れました。しかし次第に、その場の空気は変わっていきました。こらえきれない様子で肩を震わせる人が現れ、やがて小さな笑いが広がっていったのです。
妻は顔を赤くしながらも、「あとで説明しないとね」と小声でつぶやき、私はただ冷や汗をかきながら、その場を見守るしかありませんでした。

