介護保険の住宅改修における注意点

要介護度に変更がある場合はどうすればよいですか?
住宅改修費の支給限度基準額は、原則1人につき200,000円(生涯)です。ただし、要介護度が大きくあがった場合や転居した場合には、限度額がリセットされます。要介護度によるリセット(3段階リセット)は、初めに支給を受けた時点の要介護状態区分から、3段階以上上昇した場合に適用されます。要支援2と要介護1は同じ段階として扱われるため、要支援1で1回目の改修を行った場合は要介護3以上が対象です。なお、要介護3以上で初めて改修を行った場合は、3段階上の区分が存在しないため適用されません。3段階リセットは1人1回限りで、リセット後の支給限度基準額は新たに200,000円です。転居によるリセットは、介護保険被保険者証の住所が変更された場合に適用されます。制度上は複数回利用できます。詳細は担当のケアマネジャーや市区町村窓口へ確認しましょう。
介護保険の住宅改修費はどのような場合に自費になりますか?
介護保険の住宅改修費は、対象条件を満たさない場合、全額自己負担です。以下のケースでは、工事費が支給対象外となります。対象となる6種類の範囲外の工事は支給されません。工事不要の置き型手すりは、福祉用具レンタルの対象です。温水洗浄便座などの機能追加のみを目的とした工事や、将来を見越した先行工事は対象となりません。介護保険は、現在困っている状況への対応が原則です。将来の必要性のみを理由とした工事には適用されません。また、事前申請なしで着工した工事や、支給限度基準額の200,000円を超えた分は支給対象外です。入院中や施設に入居している期間に行った工事、被保険者証に記載された住所以外での工事(別荘や親族宅など)も対象となりません。
申請から着工までにどのくらいの期間がかかりますか?
事前申請から着工までの期間は、市区町村の審査状況や書類内容によって異なります。書類に不備がある場合は追加確認が発生し、さらに時間がかかるでしょう。全体の流れとしては、ケアマネジャーへの相談や業者選定、見積もり取得を行ったうえで事前申請と書類審査を経て着工へと進みます。その後、事後申請を行い支給が決定されます。身体状況の変化を感じた段階で、早めにケアマネジャーへ相談することが重要です。申請期間中の一時的な対応として、置き型手すりや歩行器など、レンタル可能な福祉用具を先に活用する方法もあります。
編集部まとめ

介護保険の住宅改修は、要支援・要介護認定を受けた方が住み慣れた自宅で安心感をもって生活を続けるための制度です。
手すりの取付けや段差の解消、扉の取替えなど6種類の工事が対象で、支給限度基準額は要介護度に関わらず1人につき200,000円(自己負担1〜3割)と定められています。
在宅サービスとは別に利用でき、申請は工事着工前の事前申請が原則です。ケアマネジャーへの相談や理由書の作成、相見積もりの取得などを経て、市区町村へ申請します。
また、要介護度が3段階以上重くなった場合や転居した場合には、限度額がリセットされる仕組みもあります。
制度の内容や手続きの流れを理解し、早めにケアマネジャーや市区町村の窓口へ相談しておくことが重要です。
住み慣れた環境のなかで、身体状況に応じた住宅改修を行うことで、その方らしい在宅生活を継続しやすいでしょう。
参考文献
介護保険における住宅改修
居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)とは|公益財団法人長寿科学振興財団
長崎市居宅介護(介護予防) 住宅改修費支給申請の手引き (居宅介護支援事業者及び施工業者向け)
介護保険住宅改修費の受給には「事前申請」が必要です|名取市
介護保険住宅改修費等への受領委任払いの導入に関する 情報収集結果
介護保険住宅改修費受領委任払いについて|新宿区
○居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について
住宅改修費の支給|新宿区
○介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて (平成 12 年1月 31 日老企 34 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抄)

