逆流性食道炎は、胃の中の酸性の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。主な症状には、胸やけ、のどの違和感、慢性的な咳などがあり、長く続くと日常生活に影響することもあります。
この病気は、加齢や体型の変化に加え、食生活や姿勢などの生活習慣とも深く関係しています。薬による治療も行われますが、症状の再発を防ぐには、毎日の食事内容や行動の見直しが欠かせません。
この記事では、逆流性食道炎を引き起こすリスクがある食習慣・生活習慣をわかりやすく紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「逆流性食道炎を予防」するために「避けた方がよい飲食物」はご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
逆流性食道炎を引き起こすリスクがある食習慣・生活習慣

逆流性食道炎の原因になりえる食習慣を教えてください
胃への負担が大きい食べ方や、刺激の強い食事の習慣は、逆流性食道炎のリスクを高めます。例えば、脂っこい料理や甘いものを多く摂る習慣や、早食い、満腹になるまで食べるといった食べ方は、胃の中の圧力を高めてしまい、逆流性食道炎のリスクを高めると考えられています。
さらに、夕食が遅い時間になることや、就寝直前の飲食も、胃酸が食道へ逆流しやすい状況をつくります。こうした習慣を続けていると、知らないうちに症状があらわれたり、慢性化するリスクもあるため注意が必要です。
逆流性食道炎を引き起こしやすい生活習慣はありますか?
日常の動作や体調の積み重ねも、発症に影響を及ぼします。運動不足によって胃腸の働きが低下したり、肥満によって腹部に圧力がかかりやすくなると、逆流が起こりやすくなります。また、喫煙や慢性的なストレスも、胃酸の分泌や括約筋の機能に悪影響を及ぼす要因です。
さらに、前かがみの姿勢を長時間続けることや、重いものを頻繁に持ち上げるような生活動作も、胃の圧迫を引き起こしやすくなります。こうした行動や身体状態に心当たりがある場合は、少しずつでも生活スタイルの改善を意識するとよいでしょう。
編集部まとめ

逆流性食道炎は、胃の中の酸が食道に逆流することで粘膜が傷つき、胸やけやのどの違和感などの不快な症状を引き起こす病気です。発症や悪化の背景には、食生活や姿勢、睡眠時の過ごし方など、日常生活の多くの場面が関わっています。
予防のためには、脂肪分の多い食品や刺激の強い飲食物を控えることに加えて、食べ方や食事のタイミングにも配慮が必要です。また、腹部を締めつける服装を避ける、食後は横にならずに身体を起こして過ごすなど、ちょっとした工夫が症状の軽減につながります。
さらに、喫煙やストレス、運動不足などの生活習慣も見直すことが重要です。再発を防ぎながら快適な生活を維持するためには、薬だけに頼らず、日々の食事と生活環境の整え方が大きなポイントになります。
参考文献
日本消化器病学会|胃食道逆流症(GERD)
国立長寿医療研究センター|逆流性食道炎ってどんな病気?

