自分のためだけじゃない?接種できない人を守る「麻疹」ワクチンの役割

自分のためだけじゃない?接種できない人を守る「麻疹」ワクチンの役割

体調や治療状況によりワクチン接種ができない方も存在します。本章では接種禁忌となる条件や注意点を整理し、対象者が安全に生活するための知識を解説します。さらに、周囲の協力による集団免疫や代替的な感染対策についても具体的に紹介します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

予防接種を受けられない方への対応

すべての方が予防接種を受けられるわけではありません。医学的な理由や生活上の事情により接種ができない場合もあり、そのような方への配慮と代替手段の検討が必要です。

接種禁忌となる条件

麻疹ワクチンは生ワクチンであるため、免疫機能が低下している方や、特定の病気の治療中の方は接種できないことがあります。たとえば、免疫抑制剤を使用している方、悪性腫瘍の治療中の方、先天性免疫不全症の方などは、接種によって健康被害が生じるリスクがあるため、接種が見合わせられます。

また、妊娠中の女性も接種対象外です。生ワクチンは胎児への影響が懸念されるため、妊娠の可能性がある場合は接種を避け、接種後2ヶ月程度は避妊することが推奨されています。さらに、過去にワクチン接種でアナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応を起こした経験がある方も、接種は慎重に判断されます。発熱や急性疾患がある場合は、回復を待ってから接種することが一般的です。

接種できない場合の感染予防策

予防接種を受けられない方は、日常生活のなかで感染リスクを減らす工夫が必要です。麻疹が流行している時期や地域では、人混みを避ける、外出時にはマスクを着用するなどの対策が推奨されます。ただし、麻疹は空気感染するため、通常のマスクでは完全に予防することは難しく、外出自粛が望ましいとされています。

家族や同居者が予防接種を受けて免疫を持つことで、周囲からの感染を防ぐ間接的な予防効果も期待できます。このような集団免疫の形成は、接種できない方を守るうえで重要な役割を果たします。また、麻疹患者さんとの接触があった場合には、速やかに医療機関に相談し、緊急的な対応を受けることが必要です。接触後72時間以内にワクチンを接種することで、発症を防げる可能性があるとされています。

まとめ

麻疹は感染力が非常に強く、予防接種を受けていない方が感染すると重症化するリスクもあります。初期症状を見逃さず、早期に医療機関に相談することが大切です。また、予防接種によって免疫を獲得することが、自分自身を守るだけでなく、周囲の方々への感染拡大を防ぐことにもつながります。免疫の有無が不明な場合は、抗体検査や予防接種について、かかりつけ医や専門医に相談されることをおすすめします。日頃から健康管理に気を配り、適切な予防策を実践することで、麻疹から身を守ることができるでしょう。

参考文献

国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「麻しん」

厚生労働省「麻しん」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。