何回噛むべき?食後の眠気や倦怠感を抑える、「血糖値スパイク」に配慮した新習慣を解説

何回噛むべき?食後の眠気や倦怠感を抑える、「血糖値スパイク」に配慮した新習慣を解説

血糖値スパイクを防ぐためには、何を食べるかだけでなく、「どのように食べるか」という点も重要です。食事の習慣そのものを見直すことで、血糖値の変動を穏やかに保つことが期待できます。ここでは、日常生活に取り入れやすい食べ方の工夫について、具体的に紹介します。

井筒 琢磨

監修医師:
井筒 琢磨(医師)

江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

血糖値スパイクを防ぐ食べ方の習慣

食品選択だけでなく、食べ方そのものを見直すことも血糖値スパイクの予防につながります。日常生活に取り入れやすい具体的な方法を紹介します。

咀嚼回数を増やすことの効果

よく噛んで食べることは、血糖値の急上昇を防ぐ基本的かつ重要な習慣です。咀嚼回数が増えると、食事時間が延び、消化吸収が緩やかになります。また、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎの防止にもつながります。一口あたり30回程度噛むことが理想とされていますが、まずは普段の2倍程度を目標にすると良いでしょう。

咀嚼を増やすためには、食材を大きめに切る、歯ごたえのある食材を選ぶ、といった工夫が有効です。根菜類、きのこ類、こんにゃく、海藻類などは自然と咀嚼回数が増える食材です。また、テレビやスマートフォンを見ながらの食事は早食いにつながるため、食事に集中することも大切です。

食事時間は最低でも15分から20分程度確保することが推奨されます。忙しい朝でも、5分で食事を済ませるのではなく、10分でも時間をかけて食べることで、血糖値の変動パターンが改善されます。家族と会話をしながらゆっくり食事をする習慣は、自然と食事時間を延ばし、血糖値スパイクの予防に役立ちます。

食事の時間帯と間隔の調整

食事の時間帯と間隔も血糖値の変動に影響します。朝食を抜く習慣は、昼食時の血糖値スパイクを引き起こしやすくなるため、避けるべきです。空腹時間が長くなると、次の食事で血糖値が急激に上昇しやすくなります。1日3食を規則正しく摂ることで、血糖値の変動を安定させることができます。

食事の間隔は4時間から6時間程度空けることが理想的です。間食が必要な場合は、ナッツ類、ヨーグルト、チーズなど、血糖値を急上昇させにくい食品を選びます。甘いお菓子やスナック菓子は血糖値スパイクを引き起こしやすいため、頻繁な摂取は控えるべきでしょう。

夜遅い時間の食事も血糖値のコントロールを難しくします。就寝前3時間以内の食事は、インスリンの働きが低下する時間帯であるため、血糖値が上がりやすく下がりにくい状態になります。仕事などで夕食が遅くなる場合は、夕方に軽く食べておき、帰宅後の食事量を減らすという「分食」の方法も有効です。

まとめ

食後の眠気や倦怠感は日常的に多くの方が経験する症状ですが、その背景に血糖値スパイクという健康リスクが潜んでいる可能性があります。本記事で解説したように、食べる順序の工夫、食品選択の見直し、咀嚼回数の増加、食後の軽い運動といった日常生活での取り組みにより、血糖値スパイクは予防できます。これらの対策は決して難しいものではなく、今日から実践できる内容ばかりです。血糖値の安定化は、現在の生活の質を向上させるだけでなく、将来の糖尿病や心血管疾患、認知症のリスクを減らすことにもつながります。気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省 e-ヘルスネット「ヘモグロビンA1c / HbA1c」

厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」

国立国際医療研究センター糖尿病情報センター「糖尿病情報センターとは」

配信元: Medical DOC

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