ほっこり楽しい猫だけの展示空間
館内に入ってまず目に飛び込んでくるのは、壁一面に並ぶ猫の作品です。視界いっぱいに広がる猫たちの表情が一斉に目に入り、思わず歩みがゆるやかになります。
壁一面の猫の肖像画
猫だけをテーマにした美術館という点自体が珍しく、1階の展示を歩くだけで猫好きにとっては自然と気持ちがほどけるような時間になります。
丸まって眠る猫、こちらを見つめる猫、ゆったりとした仕草を見せる猫。作品ごとに距離感や雰囲気が異なり、視線を移すたびに違った表情と出会えます。
一匹ごとに個性が感じられるため、鑑賞というよりお気に入りを探すような気持ちで歩き回っていました。
まんまるの目の猫の肖像画
墨の濃淡だけで描かれているにもかかわらず、毛並みの柔らかさや体温まで想像させる表現が印象に残ります。筆のかすれやにじみが猫の存在感に変わっていく様子に、立ち止まって見入ってしまう場面も少なくありませんでした。
アート鑑賞というより、猫たちに囲まれて過ごす時間に近い感覚があり、肩の力を抜いたまま楽しめる空間です。展示を追ううちに自然と滞在時間を忘れ、館内の雰囲気に馴染んでいくような導入になっていました。
壁一面に続く物語空間「淡路島・猫浜物語」
館内を進み2階へ上がると、展示の印象が大きく変わります。
ここに広がるのが、中浜稔画伯によって制作された「淡路島・猫浜物語」です。
壁一面に広がる猫浜物語
約30メートルにわたり壁一面に作品が続き、単体の絵ではなく物語として構成されています。
壁に沿って進むうちに、猫たちの場面が連続して現れ、自然と歩く速度が落ちていきます。物語の流れに入り込むような感覚がありました。
猫浜物語に登場するスナメリと猫のこまの銅像
1階には、この物語に登場する猫とスナメリの銅像も展示されており、作品の世界観を立体として感じられる要素も用意されています。
平面作品を追いながら館内を巡ることで、空間全体で物語を見せる展示構成が印象に残る見どころのひとつです。
