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「腸閉塞」になると”おなら”が出ない?見逃しやすい初期症状と受診タイミング【医師監修】

「腸閉塞」になると”おなら”が出ない?見逃しやすい初期症状と受診タイミング【医師監修】

腸閉塞(イレウス)の初期症状|原因別の違い

腸閉塞は、その根本的な原因によって初期症状の現れ方や進行のスピードが異なることがあります。代表的な原因を理解することで、自分や家族に起きている状態をより正確に把握し、医師に伝える際の手助けになります。

手術後の癒着が原因の場合

機械的イレウスの原因として最も頻度が高いものが、腹部手術後の「癒着」です。胃、大腸、婦人科系など、どのような開腹手術でも、手術の際に腹膜や腸の表面が傷つきます。その傷が治癒する過程で、本来は離れているべき腸管同士や、腸と腹壁などが線維性の組織でくっついてしまうことがあります。この癒着がバンドのようになって腸を締め付けたり、折れ曲がらせたりすることで、内容物の通過を妨げる原因となります。

癒着による腸閉塞は、手術直後から数十年後まで、あらゆるタイミングで発症する可能性があります。忘れた頃に突然発症することも珍しくありません。初期症状としては、突然始まる周期的な激しい腹痛と、それに続く嘔吐が現れることが典型的で、排ガスや排便の停止を伴います。過去に腹部の手術(帝王切開や虫垂炎の手術なども含む)を受けたことがある方は、原因不明の腹痛が起きた際には常にこの癒着性イレウスのリスクがあることを念頭に置き、医師に手術歴を伝えることが重要です。

腫瘍や腸のねじれが原因の場合

大腸がんや小腸の腫瘍が徐々に大きくなることで、腸管の内腔が狭くなり、最終的に閉塞を引き起こすことがあります。この場合、症状の進行は比較的緩やかで、数週間から数ヶ月にわたって便秘がちになったり、便が細くなったり、腹部の張りが続いたりといった変化が先行することが多いです。そのため、初期段階では加齢による便秘などと勘違いされ、発見が遅れることがあります。

一方、腸が腸間膜(腸を支える膜)を軸としてねじれてしまう「腸軸捻転(ちょうじくねんてん)」や、腸の一部が肛門側の腸に入り込んでしまう「腸重積」が原因の場合は、症状は急激に発症します。突然の激しい腹痛と嘔吐で始まり、血流障害を伴う絞扼性イレウスになりやすいため、緊急の対応が必要です。これらの原因による腸閉塞では、安易に市販の便秘薬などを使用すると腸管内圧をさらに高め、腸穿孔(穴が開くこと)のリスクを高めるため、原因不明の激しい腹痛では自己判断による服薬は絶対に避けるべきです。

まとめ

腸閉塞(イレウス)は、その初期症状が日常的な不調と似ているために見過ごされがちですが、放置すれば命に関わる重篤な事態に至る可能性のある病気です。周期的な腹痛、嘔吐、そして何よりも「便もガスも出ない」という排便・排ガスの停止が重なったとき、それは身体が発する重要な警告サインです。これらの症状を単なる胃腸の不調や便秘と見誤らず、症状が数時間以上続く、あるいは悪化する傾向にある場合は、自己判断で様子を見ることをやめ、速やかに消化器内科や救急外来を受診することを推奨します。特に、過去に腹部の手術歴のある方や高齢の方は、腸閉塞のリスクが常に存在することを念頭に置き、気になる症状があれば迷わず医師へ相談してください。

参考文献

日本小児外科学会「腸閉塞」

厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 麻痺性イレウス」

国立がん研究センターがん情報サービス「腸閉塞」

配信元: Medical DOC

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