●今後どうなる?
形式的には、当初の器物損壊の逮捕状では逮捕されていないため、再度逮捕状を取って逮捕することも可能と思われます。
しかし、これは私見ですが、いずれの容疑も認めているとのことですので、報道されている事情からは、そこまで逮捕・勾留を続ける必要性もなさそうです。公用文書毀棄罪での逮捕・勾留(最大23日間)を経て、当初の器物損壊罪も合わせて起訴されるのではないかと思われます。
いずれにせよ、結局は両方の罪が問われることになりそうです。
●似たような事例は過去にもある
逮捕状を破ったケースは過去にもあります。たとえば東京地裁平成25年(2013年)2月6日の裁判例では、覚せい剤取締法違反の事案で、逮捕状を丸めて口にくわえた男に公用文書毀棄罪が成立するとしています。
なお、この事案では、この毀損された逮捕状が実際に使われて逮捕がなされています。
多少紙が傷んだとしても、逮捕状として呈示できるのであれば、「損壊」していないとも思えます。
しかし裁判所は、その後逮捕状を事件記録に編綴(へんてつ。ここでは事件記録にまとめて整理すること)し、保管するのに少なからぬ支障を生じさせることから、公用文書としての効用が減損されたことをもって「毀棄」にあたるとしています。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

