ゴールデンウィーク(GW)も週明けからいよいよ本番を迎える。近年、職場での過剰配慮が成長機会を奪う「ホワイトハラスメント」や、最低限の業務だけをこなして精神的に会社と距離を置く「静かな退職」に注目が集まるなか、毎年この時期に繰り返される「五月病」への不安がXでも広がりを見せている。マイナビが3月、正社員2万1761人を対象に実施した調査では、正社員の18.5%が「五月病になったことがある」と回答。経験者の約4割が転職を考えたことがあり、約2割は実際に転職するに至ったという。
「五月病くること間違いなし」
Xには早くも五月病の予感をつづる声が相次いでいる。
「もうそろそろ4月も終わるし五月病って事にして怠けてもいいですか?」
「GWが明けてもないのにもう五月病みたいな気分になっているんだけどエイプリルブルーってこと?」
「五月病が背後に迫っており身体が重いです」
「去年の五月病まだ引き摺ってるのにもう次の五月が来てしまうな」
「なんと今日仕事頑張ったら4連休からの来週も祝日あったり出勤するの自分だけだったりでほぼ休みみたいなもんからのGW突入で今年最高すぎるな GW明けから6月に五月病くること間違いなし」
五月病と転職・退職の実態
マイナビの調査によると、五月病は年代別では30代(24.0%)が最も高く、20代(21.7%)も2割を超えた。五月病になった理由としては「GWの連休で一度リラックスした瞬間に、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまった」「入社したてで業務に慣れないまま長期休暇に入った」「休みが充実していた分、仕事に戻ることを考えて気が重くなった」といった声が寄せられた。
五月病が転職の引き金になるケースもある。経験者の39.9%が「五月病が原因で転職を考えたことがある」と回答し、20.9%は実際に転職に踏み切った。調査担当者は「休暇の長さだけでなく、休暇の取り方や休暇明けの過ごし方、環境変化などへの配慮が、働く人の状態に影響している可能性が示唆された」とコメントしている。
退職代行「モームリ」はサービス再開も…
こうした離職検討の動きと切り離せないのが退職代行サービスの動向だ。転職まで踏み切れずとも「辞めたい」という意思を抱える人の受け皿として退職代行は近年急速に普及してきたが、その信頼性を揺るがす出来事が起きた。2月に業界大手「退職代行モームリ」の運営会社「アルバトロス」の社長らが弁護士法違反の罪で起訴された。同社は23日、モームリの新規受付再開を発表。1日付で社長が辞任し、後任の代表取締役が就任するなど経営体制を刷新したとしている。
サービスが再開した一方で、受け取る企業側の視線は一層厳しさを増している。東京商工リサーチが3月31日〜4月7日に実施した調査(有効回答6425社)では、2024年1月以降に退職代行業者を利用した退職があった企業は8.7%で、前回調査から1.5ポイント増加した。しかし同時に、弁護士や労働組合以外の退職代行業者から連絡があった場合に「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答した企業は30.4%に上った。採用面でも、退職代行の利用歴が「採用に慎重になる」が49.3%、「採用しない」が26.0%と、利用歴が選考に影響するとした企業が合計で4分の3を超えた。
つまり退職代行は「使えば辞められる」手段である一方、その後のキャリアに影を落とすリスクをはらんでいる。五月病を機に退職を考えた場合も、衝動的に代行サービスを使う前に、法的根拠のある業者かどうかの確認と、次の就職活動への影響を冷静に検討する必要がありそうだ。
「社会や会社への諦め」を抱えながらも辞められない現実と、離職を後押しするサービスの普及という両面が交差するなかで、今年の五月病の季節を迎える。「GWが待ち遠しいですが、五月病の季節も近づいていますね」「この時期ってやる気がなくなりやすい時期とも言われているそうです」という声のように、今や五月病は「個人の弱さ」ではなく「季節のルーチン」として共有されつつある。退職代行に頼る前に、働く環境そのものを見直す機運が高まるかどうかが、改めて問われているのかもしれない。

