●処罰の対象は、直近3年以内の行為に限られる
刑事事件には「公訴時効」という制度があり、一定期間が過ぎると起訴できなくなります。
性的姿態撮影処罰法2条1項違反の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。
この法律が施行された2023年7月より前の行為は、先に述べたように各都道府県の迷惑防止条例により処罰される可能性があります。しかし、条例違反の公訴時効も同じく3年です。
さらに、児童ポルノ禁止法の「ひそかに児童ポルノを製造」した罪の公訴時効も3年です。遡れる範囲はやはり直近3年程度にとどまります。
ただし、17年にわたって盗撮をしていたことが裁判で認定された場合には、これが量刑上重く評価される可能性はあります。
なお、児童ポルノの所持罪については今所持している児童ポルノについて問題となるため、時効の問題は考えなくてよいといえます。
●被害者が見つからなくても処罰できる
17年間の盗撮だと、昔の盗撮の被害者は分からないから、処罰しようがないのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
たしかに盗撮では、被害者本人が気づいておらず、被害者が不明であるケースも多々あります。
しかし、被害者が特定できなくても処罰されることはあります。
まず制度上の問題として、性的姿態撮影処罰法や各都道府県の迷惑防止条例は「非親告罪」です。被害者の告訴がなくても起訴できます。
次に、撮影データという客観的証拠が残っています。スマートフォンや記録媒体に残された動画・画像が押収されれば、被害者を特定しなくても盗撮の事実を立証することは可能です。
実際に被害者不詳でも有罪となった事例は数多くあります(たとえば高松地裁観音寺支部令和6年(2024年)1月11日)。
今回の教諭についても、端末のデータなどの証拠により、被害者が名乗り出なくても処罰される可能性があります。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

