潮の変化と43.5cmの良型
潮は下げ残りで、磯際から沖の本流へ向けて流れる潮筋がはっきりと出ていた。その潮と本流がぶつかり合い、海面にくっきりとした潮のヨレが形成されている箇所に照準を定め、やや深めのタナを意識して、張りすぎず、緩めすぎず、仕掛けを同調させながら流していく。
すると突然、竿先をひったくるような鋭いアタリが出た。先ほどとは一段違う重量感が手元に伝わり、一気に磯際へ突っ込んでいく。ウキはあっという間に足元の際へと吸い込まれていった。根ズレを避けるために竿を立て、強引かつ慎重に主導権を握る。
そしてついに、水面で魚体が白く翻るのが見えた。
「でかい!」
仲間が素早くタモを構え、絶妙なタイミングで掬い上げてくれた。上がってきたのは43.5cmの堂々たる尾長グレであった。鋭い尾、引きしまった魚体、納得の一尾。
近年の青海島では尾長グレの魚影が濃くなっている一方、かつて主役だった口太グレの姿は減少気味である。また、季節に関係なくイサキが見られるなど、海の様子に変化が出てきている。厳寒期でも海水温が底打ちしない年があり、温暖化の影響を感じることが多くなった。
渋い時間帯と再び訪れた時合い
潮が下げ止まりになると海の雰囲気が落ち着き、生命感が薄れていった。いわゆる“我慢の時間”である。仕掛けを流しても反応は乏しく、アタリが遠のく時間帯が続いた。
しかし、潮が上げに転じると状況が一変。再び海中に活気が戻り、今度は口太グレがコンスタントに竿を曲げる展開に。太ハリスのままでは喰いが浅く、警戒されている印象があったため、ハリスをワンランク落とすとアタリが明確に増えたのだ。繊細な調整が釣果を左右することを改めて実感した。

