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「抗生物質」で下痢に? 腸内で異常増殖する“あの細菌”と【正しい対処法】

「抗生物質」で下痢に? 腸内で異常増殖する“あの細菌”と【正しい対処法】

抗生物質を服用中に下痢を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。本章では、抗生物質関連下痢が起こる2つの主な原因と、症状への適切な対処法についてご説明します。重篤な状態への進展を防ぐためにも、どのような症状が現れたときに医療機関を受診すべきかを知っておくことが大切です。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

抗生物質使用中の下痢とその対策

抗生物質の副作用として最も多く見られるのが下痢です。抗生物質関連下痢は軽度のものから重症化するものまであり、適切な対処が必要です。

抗生物質関連下痢の原因

抗生物質関連下痢は、抗生物質服用者の5〜35%程度に発生するとされています。原因は主に2つあります。一つは、抗生物質により腸内細菌叢のバランスが崩れ、消化機能が低下することです。善玉菌が減少することで、食物の発酵や分解が正常に行われなくなり、下痢を引き起こします。もう一つは、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridioides difficile)という細菌による感染症です。通常は腸内細菌叢のバランスにより増殖が抑えられていますが、抗生物質により他の細菌が減少すると異常増殖し、毒素を産生して腸炎を引き起こします。この「クロストリジウム・ディフィシル感染症」は重症化すると偽膜性大腸炎を引き起こし、入院治療が必要になることもあります。特に高齢の方、長期入院中の方、複数の抗生物質を使用している方はリスクが高いとされています。

下痢が起きた際の対処法

抗生物質服用中に下痢が起きた場合、まず医師や薬剤師に相談することが大切です。軽度の下痢であれば、水分と電解質の補給を心がけながら様子を見ることもありますが、自己判断で抗生物質を中止すると細菌感染が再燃する危険があります。発熱や血便、激しい腹痛を伴う場合は、クロストリジウム・ディフィシル感染症など重篤な状態の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。医師の判断により抗生物質の種類変更や、整腸剤の追加処方が行われることがあります。プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などの有益な細菌)の摂取が下痢の予防や改善に有効である可能性が示されていますが、効果には個人差があります。食事面では、刺激物や脂肪分の多い食品を避け、消化の良い食事を心がけることが推奨されます。

まとめ

抗生物質は細菌感染症の治療に不可欠な医薬品ですが、風邪などのウイルス性疾患には効果がなく、不適切な使用は腸内細菌叢を乱し、薬剤耐性菌を生み出す原因となります。処方された抗生物質は指示通りに最後まで飲みきり、残薬を自己判断で使用しないことが重要です。症状や疑問があれば医師や薬剤師に相談し、抗生物質の適正使用を心がけることで、自分自身の健康と将来世代のために有効な治療手段を守ることができます。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関を受診し、専門家の診断を受けることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」

国立感染症研究所「薬剤耐性菌感染症」

日本化学療法学会「抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス」

配信元: Medical DOC

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