期限まで残された時間は、あとわずか。翌日に安楽死を控えた保護犬に、最後の思い出を作ってあげたい――。そんな思いから始まった1日の外出が、思いもよらない奇跡を引き寄せ、反響が集まっています。
安楽死で施設を出る前日、最後の1日をプレゼントされた犬
アメリカ・ノースカロライナ州ソールズベリーにあるローワン郡動物保護施設に、ピットブルミックスのレックス(推定年齢5歳)が保護されていました。新しい家族を待ち続けていましたが、引き取り期限は2026年4月10日午後4時。それまでに引き取り手が現れなければ、安楽死となる予定でした。
4月9日、レックスの状況を知った写真家のキャシディ・ブルックさんは、せめて最後に楽しい時間を過ごさせてあげたいと考え、施設へ迎えに行きました。
ブルックさんは、にぎやかな場所ではなく、落ち着いて過ごせる環境を選びました。レックスがありのままでいられるよう、静かな場所を散歩し、匂いを嗅いだり、自由に歩き回ったりできる時間を用意したのです。なでたり、おやつをあげたりしながら、ブルックさんはレックスと穏やかな時間を過ごしました。
長い散歩のあとは、レックスを車に乗せてバーガーキングのドライブスルーへ。購入したのはチキンナゲットでした。健康上のリスクも懸念されるため推奨はされませんが、翌日には施設を出る予定のレックスに「特別な1日を過ごさせてあげたい」という思いしかありませんでした。
レックスは差し出されたチキンナゲットを食べ、終始穏やかな様子を見せていました。ブルックさんは、体重およそ30キロの大柄な体とは対照的な、レックスの優しい性格を感じたようです。
「一緒に過ごしている間、レックスはずっと甘えん坊でした。私の胸に頭を乗せて、ただなでてもらいたがっていたんです。散歩中は人や犬が通り過ぎたり、リスに気を取られたりもしましたが、それでもレックスは終始とても穏やかで、まさに紳士のようでした」
投稿された動画が24万回以上の再生と大反響
素晴らしい1日を過ごした後、ブルックさんはInstagramアカウントにレックスの動画を投稿しました。すると瞬く間に拡散され、再生回数は24万回以上に。大きな反響を呼びました。
そして、奇跡が起こりました。引き取り期限当日のわずか2時間前、午後2時ごろに「レックスを引き取りたい」という人が現れたのです。翌日安楽死の予定だったレックスは、まさにギリギリのタイミングで新しい家族と出会うことができました。
ピットブルは里親が見つかりにくい傾向があり、さらにレックスには不利な条件も重なっていました。体重は約30キロと大柄で、去勢手術も未実施。こうした要素があると、引き取り手を見つけるのは難しくなりやすい傾向にあるとされます。
しかし、動画に映っていたレックスの落ち着いた性格が関心を集めるきっかけになったと、ブルックさんは考えています。

