「なんとなく胃の不快感がある。」「家族に胃がんの人が多い。」「自分は胃がんかもしれない。」と不安になったりしていませんか?
今や誰もががんに罹る可能性のある時代。一般的な胃がんも患者数が多くなってきていますが、今回はその中でも、発見が困難で進行の速い「スキルス胃がん」についてまとめたいと思います。
自覚症状があまりみられないがんのため、その原因や症状をしっかり知ることで少しでも早期発見できるようにしていきましょう。自分の体の違和感に気づくことは非常に大切です。
※この記事はメディカルドックにて『「スキルス胃がんの進行速度」はご存知ですか?手遅れとなる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
スキルス胃がんとは
スキルス胃がんとは、胃がんの10%ほどに発生する胃がんの一種です。
早期発見が困難な上に増殖スピードが速く、治療が困難な胃がんだとされています。ほかの胃がんに比べて女性や若い人にみられることが多いです。
内視鏡検査でも診断が難しいため早期発見は容易ではなく、発見時にはすでに進行してしまっていることが多いといわれています。
スキルス胃がんの症状
ここからは、主な症状を紹介します。代表的な症状としては、以下の6つがあります。
食欲不振
腹痛
嘔気
体重減少
胸やけ
胃の不快感
それぞれを解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
食欲不振
スキルス胃がんと通常の胃がんでの食欲不振は症状としてはほとんど違いはありません。
胃粘膜や胃壁の伸縮性が低下することにより、食べたものが通過しにくくなったり、消化活動が低下して胃もたれを引き起こすことなどがあります。
スキルス胃がんでも初期の頃は軽い食欲不振程度を感じることがあっても、胃がんに気づくほどではありません。
末期になって本格的に食欲不振になり、体重減少が起こってから発見されることが多いでしょう。
腹痛
初期の段階では無症状なことが多く、軽い食欲低下や胸やけ程度の症状しか自覚できないスキルス胃がんですが、がんが進行するとみぞおちあたりの痛みに気づくことがあります。
これほど進行すると、同時に胸やけや嘔吐などが合併するため自覚されることが多いです。
また、スキルス胃がんが腹腔内に転移して広がっていくと、腹水が溜まることにより腹痛が生じてしまいます。
つまり、腹痛を感じる時にはがん進行は随分進んでいる目安と考えてよいでしょう。
ただ、胃炎や胃潰瘍でも同様の腹痛や胃痛を感じることがありますので、痛みを感じたら一度受診されることをおすすめします。
嘔気
先程もお伝えしましたが、スキルス胃がんは進行が速く治療困難な胃がんです。
しかし、初期症状はほとんどなく、あっても軽い胸やけや食欲不振程度です。
嘔気があるような場合は進行した状態と判断されます。ひどい場合には嘔気に続いて、嘔吐・吐血・下痢・下血・血便などがみられるようになります。
体重減少
初期症状に乏しいスキルス胃がんですが、胃壁を這うように広がる胃がんのため、徐々に胃壁が硬くなり胃の伸縮性が低下してきます。
胃の蠕動運動が妨げられ消化が困難となり、消化不全の胸やけや嘔気・食欲低下が引き起こされた結果、徐々に体重が落ちてくることがあります。
胃部の違和感やなんとなく食欲が出なくなってきたなどが同時にあれば、念のため早めに検査を受けるように心がけてください。
胸やけ
初期段階の症状ははっきり自覚できないものの、注意深く観察してみれば軽い胸やけや食欲不振に気づくことができるかもしれません。
胃が炎症を起こしていたり、スキルス胃がんで胃壁が硬くなっていたりすると徐々に出てくる症状なので、気のせいだと軽く流さず受診しましょう。
胃の不快感
明確に症状を感知できなくても、なんとなくの不快感であれば感知できるかもしれません。いつもよりなんとなく優れないというその感覚を大事にしてください。
体内の不調に気づくことは非常に難しいことですが、そのなんとなくが非常に重要なことがあります。
いつも自分の体に敏感であれば、早期発見の難しいスキルス胃がんに気づくことができるかもしれません。

