大阪大学の研究員らは、日本人約4万2000人を対象に、緑茶の摂取量と肝臓がんの発症リスクとの関係を長期間調査しました。その結果、緑茶を多く飲む人ほど肝臓がんのリスクが低い傾向が見られました。研究内容の詳細について中路先生に伺いました。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
大阪大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
中路先生
大阪大学の研究員らは、「JACC Study(日本人成人の大規模前向き多施設共同コホート研究)」で、日本人成人における緑茶の摂取と肝臓がんの発症リスクとの関係を長期間追跡調査しました。生活習慣などを考慮して対象者約4万2000人のデータを分析した結果、緑茶を多く飲む人ほど肝臓がんのリスクが低い傾向が見られました。特に1日7杯以上飲む人では、ほとんど飲まない人と比べてリスクが39%ほど低下していました。また、この傾向は男性や飲酒習慣のある人でより明確でした。本研究により、緑茶の摂取量が増えるほど、肝臓がんリスクが低下する可能性が示唆されました。
研究テーマの「肝臓がん」とは?
編集部
今回の研究テーマに関連する肝臓がんについて教えてください。
中路先生
肝臓がんは肝臓にできるがんの総称であり、多くは肝細胞ががん化した「肝細胞がん」を指します。主な原因として、B型・C型肝炎ウイルス感染、アルコール、脂肪肝炎などによる慢性的な炎症や肝硬変が関係しています。初期は自覚症状がほとんどありません。進行すると、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、だるさ、腹部の痛みなどが見られることがあります。また再発や転移を起こすこともあるため注意が必要です。健康診断で異常を指摘された場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

