
「春はあけぼの」。夜明け前の藍色と朝日が混ざり合う静かな空の下、静岡県・河津川は2026年の渓流解禁を迎えた。川沿いには早咲きの河津桜が舞い、まさに春の訪れを告げている。今年の解禁日は、快晴・微風・高気温という最高条件。しかし全国的な雨不足の影響で、特に太平洋側の河川は深刻な渇水。その例に漏れず河津川も「一目でわかる大渇水」だった。この状況が果たして釣果にどう影響するのか——。私たちは今年も、朱点の美しい“清流の女王”アマゴに会うべく河原に立った。
本流はチェイスすらなし…支流・萩ノ入と大鍋川の状況は?
夜明け前の5時。天城峠を越える車は多く、どうやら今年も賑やかな解禁日になりそうだ。
仲間たちは二手に分かれ、友人組は支流・萩ノ入川へ。私たちは昨年大爆釣した本流・峰大橋付近から開始。
ところが現地に着くと、目に飛び込んできたのは想像以上の渇水。石は泥を被り歩きにくく、昨年の好ポイントもまるで別の川のようだ。昨年のヒットミノー「シルバークリークミノー スローフォールカスタム45SS(DAIWA)」で探るもチェイスなし。生命反応すら感じない。落ち葉の堆積で根掛かりも多発し、先行の釣り人たちも早々に諦めて消えていった。
下流へ向かってみると、時折アマゴらしきチェイスはあるもののUターン。漁協の方によると、解禁直前(2月26日)の放流は、渇水を考慮して「水量の多い上流側へ絞って」行われたとのこと。峰小橋周辺には放流はなく、見える魚は天然と思われた。相方もチェイスなし。時刻は9:30。状況は厳しいが、まだまだ勝負はこれからだ。
天然アマゴが魅せた春の躍動!大鍋川で歓喜のヒット
ノ入に向かった友人からは、早くも“春一番乗り”のアマゴ報告!私たちは再度作戦を練り直し、本流と大鍋川へ分かれることに。
大鍋川は水量こそ少ないが、朝日が強まり気温も上昇。小場所も丁寧に探りながら遡行していると、その瞬間は突然訪れた。ミノー着水、ワンアクション——ゴンッ!タモに収まったのはヒレが赤く染まった美しいアマゴ。
静かな渓に一人歓喜し、春の訪れに酔いしれた。
その後も小堰堤の落ち込みから20cm弱のアマゴが再びヒット。「放流がなくても、天然アマゴはしっかり残っている」。大鍋川が秘めるポテンシャルを改めて実感できた瞬間だった。
一方そのころ本流組は苦戦。釣り人たちも口を揃えて「今日は厳しい」と言い、放流魚の姿は見えないままだった。

