天皇陛下のあいさつ全文
なお、天皇陛下による世界獣医師会大会の開会式でのあいさつ全文は以下の通り(実際は英語で、以下は宮内庁の公式サイトに掲載された和訳)。
「御列席の皆様
第41回世界獣医師会大会の開会式に、世界の多くの国と地域の獣医師を始め、幅広い分野の専門家の皆さんと共に出席できることをうれしく思います。そして、1995年にアジアで初めてとなる世界獣医師会大会が日本で開催されて以来、今回、31年ぶりに再び日本で開催されることを喜ばしく思います。
多くの動物の存在に支えられている私たちの社会において、獣医師の方々は、日々動物の命と向き合い、その健康と福祉を守る専門職として尽力してこられました。また、動物の診療のみならず、高度な科学的、専門的知識とその実践により、幅広い分野で重要な役割を果たされ、社会に貢献されていることに深く敬意を表します。
私たち家族も、これまで3頭の保護犬や4頭の保護猫を始め、様々な動物たちと生活を共にし、多くの喜びや癒やしを享受してきました。その一つ一つの命は、私たち家族にとって常にかけがえのない存在であり、この動物たちの健康や幸せを守る上で、獣医師の先生方や動物病院のスタッフの皆さんには日頃から大変お世話になってきています。そして、その中で、動物たちの健康を守り、命を救う獣医師の仕事に深く感銘を受けています。
近年、人の健康、動物の健康、そして環境の健全性を一体として捉える「ワンヘルス」の理念が、国内外で一層注目されるようになってきました。この理念の下、人と動物の共通感染症への対応を始め、家畜伝染病の防疫、食の安全の確保、抗菌薬の適正使用などの公衆衛生の向上、更には野生動物の健康監視や、災害時の動物救護活動などに果たす獣医師の方々の役割は、より一層大切になってきていると思います。また、こうしたワンヘルスの実践は、医学や環境を始めとする様々な分野における専門家との連携の下、社会全体のリスクを軽減する力となり、その役割は、国家や学問分野の枠組みを超え、ますます重要なものになってくるものと思われます。
今回の大会が、世界の獣医師や様々な分野の専門家の皆さんが、それぞれの知見を共有し、協力を深め、未来に向けた新たな道を切り開く貴重な機会となることを願うとともに、人と動物がよりよく共生できる社会の実現につながることを期待し、私の挨拶(あいさつ)といたします。
ありがとうございました」
【4月30日16時10分】初出時、記事タイトルに脱字がございました。お詫びして修正いたします

