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妻の遺体を焼却炉で損壊…旭山動物園の職員に「休園の損害」を請求できるのか?弁護士が解説

妻の遺体を焼却炉で損壊…旭山動物園の職員に「休園の損害」を請求できるのか?弁護士が解説

●動物園(市)への使用者責任も認められにくい

では、周辺店舗は動物園(旭川市)に損害賠償を請求できるでしょうか。

飼育員を雇っている雇い主としての動物園の責任は、「使用者責任」(民法715条)か、「国家賠償法」(1条)の責任のどちらかと考えられます。

両者の違いは、純粋な私経済作用=民法、行政作用に近い=国家賠償法、なのですが、この記事では民間企業と同じような経済活動に近いと考え、民法(使用者責任)の問題としています。

なお、どちらの枠組みでも、飼育員が業務として行った行為と評価できなければ動物園の責任は認められないという点は共通しているため、今回のケースの結論には大きな違いは出ないと考えられます。

使用者責任が認められるには、飼育員が「事業の執行につき」行った行為であることが必要です。

今回の死体損壊は夜間に焼却炉を私的に悪用した行為で、業務として行ったとは言い難い側面があります。そのため、動物園への使用者責任の追及は難しい可能性が高いといえます。

なお、報道では動物園(市)が動物園内の飲食店業者へ補償する可能性も示唆されています。

これは法律上の損害賠償責任とは別に、地域経済への影響を考慮した政策的な判断によるものと考えられます。

そこで、仮に市が周辺業者に補償したとしても、前述のように周辺業者から市への使用者責任の追及が認められにくいと思われるため、その補償額を市側から飼育員個人に請求することも難しいと考えられます。

小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

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