強迫性障害の強迫観念と強迫行為に対する治療法

強迫観念や強迫行為は病院での治療で和らぎますか?
強迫観念や強迫行為は、病院での治療によって軽減が期待できるとされています。強迫症は、本人の意志の弱さではなく、脳の働きや不安の制御機能が関係している病気と考えられています。そのため、専門的な治療を受けることが重要です。主な治療は、薬物療法と認知行動療法(CBT)の併用です。多くの場合、薬物療法で強い不安や抑うつ症状を和らげ、心身の疲労を軽減したうえで、認知行動療法に取り組みやすい状態を整えます。治療の継続によって、不安の強さや強迫行為の頻度が徐々に減っていくことが期待されます。
また、病気や治療内容の理解を深める心理教育も重要です。本人や家族の病気の仕組みへの理解によって、過度な自責や誤解を減らし、治療効果が現れやすい状態を整えることができます。
病院では具体的にどのような治療を行うのか教えてください
病院で行われる主な治療は、薬物療法と認知行動療法(CBT)です。薬物療法では、主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いられます。代表的なものはフルボキサミンやパロキセチンなどで、いずれもセロトニンの働きを調整し、不安や強迫症状の軽減を目指す薬です。
通常は少量から開始し、副作用や効果を見ながら数ヶ月かけて調整します。吐き気や一時的な不安の増強などがみられることもありますが、多くは経過とともに落ち着きます。
効果が十分でない場合には、別のSSRIへの変更や、少量の抗精神病薬を追加する方法が検討されることもあります。治療方針は、症状の特徴や併存症、身体状態などを踏まえて医師が総合的に判断します。
認知行動療法では、曝露反応妨害法を中心に行います。不安を引き起こす対象や状況を強さの順に並べた不安階層表を作成し、不安の弱いものから段階的に取り組みます。
不安を引き起こす状況にあえて直面し(曝露)、これまで行っていた強迫行為を行わずに不安が下がるのを待つ(反応妨害)練習を繰り返します。
参照:『松永寿人先生に「強迫性障害」を訊く』(日本精神神経学会)
編集部まとめ

強迫性障害の症状は、「気にしないようにする」と意識するだけで消えるものではありません。不安を抑え込もうとするほど、かえって思考や行動が強まることもあります。
大切なのは、不安そのものを完全に消そうとするのではなく、不安があっても行動を変えられる力を少しずつ身につけていくことです。そのために、曝露反応妨害法を中心とした認知行動療法や、必要に応じた薬物療法が行われます。
また、症状を性格の問題ととらえて自分を責める必要はありません。適切な治療と継続的な取り組みによって、症状の軽減や生活の安定が期待できるとされています。
1人で抱え込まず、早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献
『松永寿人先生に「強迫性障害」を訊く』(日本精神神経学会)
- 「強迫性障害」を発症するとどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師監修】
──────────── - 「強迫性障害の原因」はご存知ですか?発症しやすい性格も解説!【医師監修】
──────────── - 「強迫性障害」とはどんな病気?症状や検査・治療法も解説!【医師監修】
────────────

