4年間にわたる夫の海外赴任を終え、家族で日本に帰国しました。長男の小学校入学に合わせ、私と2人の子どもたちは一足先に帰国し、実家に身を寄せていました。日本で新しい生活が始まる、そんな希望に満ちた矢先のことでした。
ドクターヘリで運ばれた父
入学式から1カ月ほどたったころのある日、父が実家近くの神社で転倒し、頭を強く打ってしまいました。通りがかりの方に発見され、ドクターヘリで遠方の病院へ搬送されたと連絡を受けたときは、頭が真っ白になりました。
これが、私たちの介護生活の始まりでした。父は「要介護5」の判定を受け、自宅での介護は難しいとのこと。病院から介護施設へと、計4軒の施設を転々としました。
母、そして子どもたちに支えられた生活
昭和世代の父の妻である母は、大変な状況の中でも毎日欠かさず父のもとへ通いました。慣れない土地での子育てと、幼い子ども2人を抱えての介護生活との両立は想像以上に大変でしたが、母の姿は私の心に深く刻まれました。
当時、子どもたちはまだ6歳と4歳。久々に帰国した日本で、行きたい場所もたくさんあったはずです。しかし、子どもたちは一度も不満を口にすることなく、毎週末、電車で1時間以上かけて両親の見舞いについてきてくれました。

