️犬が頭を傾けるのはなぜ?耳のトラブルが出すサイン

犬が首をかしげるように頭を傾けているとき、多くの場合、耳に強い違和感や痛みがあります。特に多い原因が外耳炎です。外耳炎になると、耳の中が赤く腫れ、かゆみや痛み、嫌なにおい、耳だれなどが起こります。犬はその不快感をどうにかしようとして頭を振ったり、傾けたりします。
この段階では、炎症はまだ耳の入り口から見える範囲にとどまっていることが多く、適切な治療を行えば回復が期待できます。動物病院で耳を洗浄し、原因に合った点耳薬を使うことで、基本的には数日から1週間ほどで症状が落ち着くでしょう。
ただし注意したいのは、頭の傾きが「軽く、断続的」なのか、「明らかに傾いたまま戻らない」のかという点です。外耳炎だけの場合、治療が始まると頭の傾きも徐々に改善していくことが多いですが、傾きが強く、歩きにくそうだったり、ふらついたりしている場合は、炎症が耳の奥へ進んでいる可能性があります。
️回復の分かれ目は「耳の奥」に炎症が及んでいるか

外耳炎が長引いたり、重症化したりすると、炎症が中耳や内耳まで広がることがあります。中耳や内耳は、音を感じるだけでなく、体のバランスを保つ重要な役割を担っています。そのため、この部分に炎症が及ぶと、頭の傾きがはっきり現れたり、真っすぐ歩けなくなったりします。
この状態では、単なるかゆみや痛みだけでなく、平衡感覚そのものが乱れているため、治療にも時間がかかります。外耳炎だけのときと比べ、回復までに数週間から数か月を要することもあり、残念ながら頭の傾きが完全には元に戻らないケースも中にはあります。
さらに炎症が強い場合、鼓膜が傷ついたり、破れてしまったりすることもあります。そうなると点耳薬の使い方にも制限が出てきますし、内服薬や注射による治療が必要になることもあります。慢性的な炎症では、耳の中が分厚くなったり、硬くなったりして、薬が届きにくくなることもあります。
つまり、「外耳炎だけで済んでいるかどうか」が、回復の大きな分かれ目となります。その見極めには、耳の奥までしっかり確認する検査と、獣医師の判断が欠かせません。

