アドレナリンが分泌されるとどんな効果がある?

アドレナリンは受容体(α・β)を介して、短時間で全身の状態を変化させます。ここでは臨床的に重要な作用を整理します。
血圧・循環機能の向上
アドレナリンは心臓に働きかけて、心拍数や収縮力を高めます。その結果、全身へ送り出される血液量が増え、緊急時に必要な循環を確保しやすくなります。
血管への作用は部位や状況で異なりますが、総じて「危機に対処するために循環を強める方向に働く」と理解しておくとよいと思います。
呼吸機能の改善
アドレナリンはβ2作用により気道の平滑筋をゆるめ、気管支を拡張させます。これにより空気の通り道が広がり、呼吸を助ける方向に働きます。この作用は、アナフィラキシーでアドレナリンが第一選択になる理由の一つでもあります。
エネルギー供給の増加
アドレナリンは肝臓などに働き、グリコーゲン分解などを通して血糖を上げ、素早いエネルギー供給を確保します。短距離走のような瞬発力が必要な場面で、体が動ける状態に切り替わるイメージです。
集中力・瞬発力の向上
アドレナリンは血液脳関門を通過しにくい物質です。脳へ直接作用するというより、末梢の変化(血糖上昇など)や迷走神経を介した経路などを通じて結果として覚醒・集中に影響することがあります。
消化・排泄機能の一時ストップ
交感神経が優位になると、緊急時に優先度の低い機能(消化管の運動など)が抑えられ、口が渇く・胃が重いといった感覚が出ることがあります。これも、危機対応としての生理反応の一部です。
「アドレナリン」についてよくある質問

ここまでアドレナリンについて紹介しました。ここでは「アドレナリン」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
アドレナリンはどういう時に出ることが多いのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
アドレナリンは、強いストレス・恐怖・興奮など「体が危機や重要場面だと判断したとき」に出やすいホルモンです。例えば、突然驚いたとき、人前での発表直前、危険を感じた瞬間などに、動悸や手汗として体感されることがあります。
ただし、同じ出来事でも反応の強さは人により異なります。また、動悸や息苦しさが頻繁に起きる場合は、不整脈・甲状腺疾患・貧血などの身体要因が隠れていることもあるため、続く場合は医療機関での評価をおすすめします。

