普段は車に乗らない人でも、旅行や帰省の際にレンタカーのハンドルを握ることはあるだろう。
ただ、大型連休中は交通量が増え、事故も起きやすい時期だ。慣れない運転で、思わぬトラブルに巻き込まれることもある。
実際、SNSには「レンタカーが接触事故を起こしたのに、そのまま走り去った」といった目撃情報も投稿されている。
大したことないからとその場を離れてしまう──。しかし、その判断が後で大きな代償につながる可能性がある。交通トラブルに詳しい西村裕一弁護士に聞いた。
●通報しないと「違反」になる
──レンタカーで事故を起こしたのに通報しなかった場合、どんな問題がありますか。
事故を起こしたにもかかわらず、警察に通報しなければ、「事故の報告義務違反」(道路交通法72条)にあたります。
人がけがしていた場合には「ひき逃げ」、車やガードレールなど物だけ壊した場合でも「当て逃げ」になります。
この報告義務違反には、3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金が科される可能性があります(道路交通法119条1項17号)。免許の点数も2点以上の減点となる可能性があります。
さらに、事故によって道路に危険が生じているにもかかわらず、何も対応せずに立ち去った場合には、より重い処罰(1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)や5点以上の減点が科され、免停のリスクも高まります(道路交通法117条の5第1項第1号)。
●請求されるのは修理代だけではない
──ほかにどのようなリスクがありますか。
レンタカーが損傷している場合、まず修理代が発生します。
通常であれば保険が使えますが、警察に事故報告をしていないと事故証明書が発行されず、保険が適用されない可能性があります。
その場合、修理代は全額自己負担になります。
さらに修理期間中に車を貸し出せなかったことによる損害(営業補償)を請求されることもあります。レンタカーは事業用の車両であるため、「修理代だけ払えば終わり」とはなりません。
加えて、その会社でレンタカーを今後利用できなくなる可能性もあります。

