ストレスによる耳鳴りの正しい対処法はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が耳鳴りの正しい対処法と改善法について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「ストレスによる耳鳴り」の解消法はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修理学療法士:
小島 雄也(理学療法士)
ユマニテク医療専門学校理学療法学科卒業。卒業後、三重県のリハビリ病院に就職して主に重度脳卒中患者のリハビリに携わる。愛知県のリハビリテーション病院に転職後はロボットなど先進医療機器を活用した歩行訓練を多数行い、学会発表も経験する。現在も病院で働く傍らトレーナーとしてダイエットサービスを提供している。
耳鳴りとは?
耳鳴りとは、外からの音が存在しないにも関わらず、本人の耳にのみ音がしているように感じる現象を指します。その音は高音から低音まで様々で、聞こえ方も人によって異なります。多くの人が経験する症状です。しかし、特に現代社会におけるストレスは、耳鳴りを悪化させる要因と考えられています。この記事では、耳鳴りの原因と、ストレスとの関連性から、考えられる病気、ご自身でできる対処法まで、専門医が分かりやすく解説します。
なぜ起きる?耳鳴りのメカニズム
耳鳴りの発生について、近年では脳が大きく関わる中枢発生説が主流となっています。実は、耳鳴り自体は正常な脳の活動に伴うものであり、静かな環境では誰でも耳鳴りがすると言われています。しかし、何らかのきっかけで聴力が少し低下すると、脳は聞こえにくくなった音を補おうとして、音を司る脳の一部(聴覚野)の活動を過剰に活発にします。この脳内神経細胞の異常な興奮が、実際には鳴っていない音を耳鳴りとして認識させてしまうのです。つまり、耳鳴りの主な原因部位は耳ではなく、脳であると考えられています。
耳鳴りとストレスの関係性
誰でも聞こえる可能性のある耳鳴り、ほとんどの人はそれを意識することなく生活しています。ところが、強いストレスや疲労、不安を抱えていると、脳はこの些細な耳鳴りの信号に注意を向けるようになります。そして、耳鳴りに対して「不快だ」「嫌だ」というネガティブな感情が結びついてしまうと、脳はその信号を重要な危険信号と捉える、つまり不必要に耳鳴りに注意が向いてしまいます。この「耳鳴りを不快に感じるよう脳が変わってしまう」と、「不快感からさらに耳鳴りに注意が向いてしまう」という悪循環を生んでしまいます。このように、心因的な要素により、耳に病気がないのに、耳の違和感や症状を感じることがあります。これは「心身症(身体症状症)」と呼ばれます。耳の病気なのか、それとも心身のバランスによるものかをきちんと見極める必要があります。
「ストレスによる耳鳴り」の正しい対処法・改善法は?
耳鳴り治療への第一歩は、耳鳴りが起きている原因を知ることです。ストレスの原因と向き合って対処することも重要です。
気になる耳鳴りを止める方法はある?
先程も述べた通り、耳鳴り自体は、正常な脳でも発生しうる信号の一つです。そのため、耳鳴り治療の目標として、音を完全に消し去ることは設定しません。たとえ耳鳴りが鳴っていても、それを苦痛に感じることなく、気にせず快適に過ごせるようになることを目標とします。解消法として、心地よい音楽などで耳鳴りから注意をそらす「音響療法」や、耳鳴りへのネガティブな考え方の癖を修正する「認知行動療法」などがあります。まずは耳鼻咽喉科で適切な診断を受けることが最も重要です。
ストレス緩和や耳鳴り予防におすすめの生活習慣とは?
ストレスの管理が不可欠です。十分な睡眠、バランスの良い食事、ウォーキングなどの適度な運動を心がけましょう。ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を温めたり、首や肩周りのストレッチをしたりすることも、心身のリラックスにつながるためおすすめです。

