ささいなすれ違いが、取り返しのつかない後悔として心に残ってしまうことがあります。私にとって、一生忘れられないのは、姉と口論したまま仲直りできなかったことです。あのとき素直になれていたら――そんな思いが、今でもふと胸を締めつけます。
姉のひと言を、私は受け止められなかった
十数年前のことです。私は仕事と家事に追われ、毎日をこなすだけで精いっぱいでした。心にも余裕がなく、周囲の言葉にまで神経が張り詰めていたのだと思います。
そんなある日、姉が家を訪ねてきて、私に「少し休んだら?」と声をかけてくれました。本来なら、気づかってくれた言葉だったのだと思います。けれど、そのときの私は、そのひと言を素直に受け取ることができませんでした。
私はそれを干渉されたように感じ、強い口調で姉を突き放してしまったのです。姉は驚いたような表情を見せ、そのまま黙って帰っていきました。今思い返しても、あのときの姉の顔が忘れられません。
謝ろうと思いながら、私は先延ばしにしてしまった
翌日になると、私は少し冷静になっていました。そして、自分が感情的になっていたことにも気付きました。「きちんと謝らないといけない」。そう思ったにもかかわらず、私はすぐに行動できませんでした。
忙しいからまた今度でいい。姉もきっと怒っているはずだから、少し時間を置いたほうがいい。そんなふうに自分に言い訳をして、連絡を先延ばしにしてしまったのです。
本当は、謝りたい気持ちはありました。ただ、その一歩を踏み出す勇気が出ませんでした。そうしているうちに、取り返しのつかない知らせが届いたのです。

