一口に糖尿病といっても、1型・2型・妊娠糖尿病など種類はさまざまです。原因、症状、治療法が異なるため、それぞれのタイプに応じた対策が欠かせません。そこで、血糖値コントロールの基本から、薬・インスリン治療、生活習慣の改善まで、所沢みやた内科クリニックの宮田先生に詳しく聞きました。
※2025年9月取材。
≫【一覧でわかる】1型糖尿病 と2型糖尿病 原因や治療法の違い
監修医師:
宮田 由紀(所沢みやた内科クリニック)
2003年浜松医科大学医学部医学科卒業。東京医科歯科大学附属病院(現・東京科学大学病院)内科、取手協同病院(現・JAとりで総合医療センター)内科、武蔵野赤十字病院内分泌代謝内科、草加市立病院内分泌代謝内科、イムス記念病院糖尿病内科、聖母病院内科を経て現職。日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本抗加齢医学会抗加齢医学専門医。
糖尿病の種類にはどのようなものがあるのか?
編集部
糖尿病にはどのような種類があるのでしょうか?
宮田先生
糖尿病は大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。そのほかに、特定の機序や疾患による糖尿病、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」も存在します。特に多いのは2型糖尿病で、日本の糖尿病患者さん全体のうち90%以上を占めるとされています。
編集部
1型と2型の違いは何ですか?
宮田先生
1型は自己免疫などによって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど作られなくなる病気です。一方、2型はインスリンの分泌低下や、効きが悪くなる「インスリン抵抗性」に、過食や運動不足などの生活習慣が加わって発症します。つまり、発症の根本的なメカニズムが異なるのです。
編集部
特定の機序や疾患による糖尿病とはどのようなものですか?
宮田先生
1型、2型、妊娠糖尿病のいずれにも分類されないタイプの総称です。頻度は高くありませんが、膵臓の病気やホルモン異常、遺伝子異常、あるいは薬剤の影響など、原因は多岐にわたります。
編集部
妊娠糖尿病についても詳しく教えてください。
宮田先生
妊娠中に初めて糖の代謝異常が見つかった場合を妊娠糖尿病といいます。妊娠中のホルモンの変化によって血糖値が上がりやすくなり、母体だけでなく胎児にも影響が及ぶ可能性があるため、適切な管理が求められます。
それぞれの原因を詳しく解説
編集部
1型糖尿病の原因は何でしょうか?
宮田先生
多くの場合は自己免疫反応による、インスリンを作る膵臓のβ(ベータ)細胞の破壊です。遺伝的な素因にウイルス感染や環境要因が加わって発症すると考えられています。小児や若年者に多い傾向にありますが、成人になってから発症するケースも見られます。
編集部
2型糖尿病の原因について教えてください。
宮田先生
インスリン分泌の低下や、インスリンの効きにくさを引き起こす遺伝的な素因に、肥満や運動不足、過食といった生活習慣が重なることで発症します。複数の要因が組み合わさってインスリンが十分に作用しなくなる状態が、2型糖尿病の主な成り立ちです。
編集部
特定の機序や疾患による糖尿病には、どのような原因があるのでしょうか?
宮田先生
膵炎や膵臓がんといった膵臓そのものの病気、クッシング症候群などホルモン異常、さらに薬剤性(特にステロイドの副作用)などが挙げられます。そのほか、遺伝子異常によって起きる場合もあります。原因となる疾患によって治療法や予後が異なるため、正確な診断が重要です。
編集部
妊娠糖尿病はなぜ起こるのですか?
宮田先生
妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンが、インスリンの働きを抑える作用を持つためです。本来は妊娠に伴う正常な変化ですが、インスリンの分泌が追いつかない場合に血糖値が上昇し、妊娠糖尿病の状態となります。

