家族のことは何でも知っているつもりでも、実は「意外な真実」が隠れていることもあります。大人になって親の思いにようやく気付き、改めて感謝の気持ちを抱く人もいるのではないでしょうか。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
晩酌が日課の父
私の父は大のお酒好きで、仕事から帰ってくるとすぐに缶ビールを開けるのを毎晩の楽しみにしていました。
ほんのり赤くなった顔で、上機嫌によく私の話を聞いてくれたものです。
そんな父が、私が高校2年生の時、突然お酒をピタリとやめてしまいました。
驚いて「えー! あんなに毎日お酒を楽しみにしてたじゃない。どうして?」と聞いても、「健康診断の結果がちょっとだけ悪かったんだよ」とだけ言い、詳しくは教えてくれません。
もしかして体調が悪いのでは? と心配したこともありましたが、特にそのようなこともなさそう。少し不思議に思いながらも、私は私で進学や部活で忙しく、その違和感はいつの間にか日常に紛れていきました。
それから私が実家を出て独立するまで15年間、父が晩酌をする姿を一度も見ていません。
15年越しの真実
真相を知ったのは、私が結婚して実家を離れた後のことでした。
帰省中に母と2人で話していた際、ふと父の断酒の話題になったのです。
「実はお父さんがお酒をやめたのは、健康のためじゃなかったのよ」
と、母は苦笑いしながら教えてくれました。
高校2年生の時、私は一度だけ、塾の帰りに不審者につきまとわれたことがありました。
幸い、走って逃げて事なきを得たのですが、その件で私がひどく怯えていたことを知った父は、翌日から「いつ娘から助けを求める連絡があるか分からない」と、自分の意思でお酒をやめたのだそうです。

