「オンリーワン」をめざせ!子どもの「自己肯定感」を保つために親ができること
成長するにつれ、人よりも得意なものができて、それに「夢中」になる子ども。ときには「プロの○○になりたい!」と夢を語ることもあると思います。
でも、現実はそんなに甘くないもの。自分よりも上のレベルの子に出会ったときに「自分はダメだ」「才能がない」と感じ、自己肯定感も下がってしまう……そんな事態は誰にでも起こり得るのではないでしょうか?

瀧教授は『プロとして活躍するような人は、それでもあきらめなかった子です。』と持論を展開します。どんなに優秀な子でも少なからずコンプレックスはあるもの。でも、そこであきらめない子は『「やればできる」「自分ならできる」と信じられる子』だというわけです。
特定の分野であきらめずに努力することは、その分野を超えた効果も期待できます。ものごとを深く追求した経験は『他のものごととも結びつきやすくなり、学習効果を高める』とのこと。
1つの分野で努力した経験は、他のことを始めたときにも応用がきき、すぐに上達する——脳にはそんな性質があるそうです。

とはいえ、瀧教授は『何も、「何事もあきらめず一番をめざすのがいい!」「高いレベルをめざしましょう」と言いたいわけではありません。』とも記しています。
大事なのは『オンリーワンをめざすこと』です。ここで言う「オンリーワンになる」とは、人生を1つのことだけにしない、ということ。
1のことを極めることも大切ですが、自分よりもすごい人に出会ってしまったとき、その子を支えてくれるのは、それ以外の自分らしさだからです。

瀧教授は『たとえば、友だちが多いとか、実はドラムができるとか、文章を書くのが好きとか。人生の選択肢、自分らしさを1つに絞らず、いくつかかけ合わせていったとき、本当のその人らしさが出てきます。』と書いています。
では、我が子が「オンリーワン」になるために、親がしてあげられることはあるのでしょうか?

瀧教授は『その子が一番得意としていることもそうですが、それ以外の部分もしっかりと見てあげる、サポートしてあげるのが、親の役割だと私は思います。』と記します。
どんなことでも、いくつかの分野で「人よりちょっとできる」くらいのレベルをめざすことで、その子らしさが育っていきます。
親として『特定の勉強だけ(たとえば受験勉強だけ)、1つの習い事だけ、1つの趣味だけにしないこと』に注意し、子どもにいくつかの「ちょっと得意」を持たせてあげましょう。
なお、この「ちょっと得意」なことは、例えば「社交性が高い」「人の話を聞くのが上手」などの性格に関連したことでも構いません。

親が子どものことを、愛情をもってよく見て、その子のよさや長所を言葉にして子どもに伝える——それを繰り返すことで、子ども自身が自分のよさを自覚し、そこを伸ばそうと意識を始めます。
瀧教授は『そうしていくつかの「ちょっと得意」を持っておくと、自己肯定感を保ちやすくなり、人生の選択肢が広がっていくのですね。』とまとめています。
2026年4月7日発売『夢中になれる子の脳』

『夢中になれる子の脳』
東北大学で脳科学・発達心理学を研究する脳科学者・瀧靖之教授が「子どもが夢中になれる力」を科学的に解説する一冊。子育て中の親の不安にQ&A形式で答えながら、子どもが自分らしく自信をもって人生を歩めるよう、必要となる親のかかわり方を紹介しています。
著者:瀧靖之
1970年生まれ。東北大学加齢学研究所臨床加齢医学研究分野教授。東北大学スマートエイジング学際重点研究センター長。医師。医学博士。
脳の発達や加齢、認知機能の変化を、MRIを用いた大規模脳画像解析によって研究。また、最新の脳研究と自身の子育ての経験を踏まえ、科学的な子育てを提唱している。
出版社:サンクチュアリ出版
2026年04月07日発売
四六判/ソフトカバー/本文224ページ
定価:1,500円(税込1,650円)
(構成・記事:ママテナ編集部書籍チーム)
