みぞおちが急に痛いときすぐに病院へ行くべき症状はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医がすぐに受診すべき症状と特徴的な病気について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「みぞおちが急に痛くなる」原因はご存じですか?対処法や考えられる病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。
すぐに病院へ行くべき「みぞおちが急に痛い」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
激しい痛みと冷や汗・吐き気を伴うの場合は、救急外来へ
我慢できないほどの激しい痛みに加えて、顔面蒼白、冷や汗、繰り返す嘔吐、意識がもうろうとするといった症状が現れる場合は、生命に関わる重篤な疾患の可能性があります。これらの症状は、身体が重大な危険状態にあることを示すサインであり、迅速な医療介入が必要です。このような症状では、急性心筋梗塞、急性膵炎、消化管穿孔、絞扼性腸閉塞、大動脈解離などの重篤な疾患が考えられます。これらの疾患は、適切な治療を受けなければ生命に関わる可能性があるため、一刻も早い診断と治療が必要です。迷わず救急車を呼び、救急外来を受診してください。救急車を待つ間は、症状の経過、服用している薬、既往歴を家族に伝えてもらえるよう準備しておくことが重要です。また、保険証や医療証、お薬手帳などを準備し、できるだけ詳しい情報を医療機関に提供できるようにしましょう。
受診・予防の目安となる「みぞおちが急に痛い」ときのセルフチェック法
みぞおちが急に痛い以外に嘔吐・下痢な症状がある場合
みぞおちが急に痛い以外に冷や汗な症状がある場合
みぞおちが急に痛い以外に息苦しい症状がある場合
「みぞおちが急に痛い」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「みぞおちが急に痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで食道粘膜に炎症が生じる病気です。下部食道括約筋の機能低下、肥満、食生活の乱れ、加齢などが原因となります。また、ストレスや喫煙、アルコール摂取なども症状の悪化因子です。生活習慣の改善が治療の基本となります。食事内容の見直しでは、脂肪分の多い食事や刺激の強い食べ物を避け、食後すぐに横にならないことが重要です。薬物療法では、プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬により胃酸分泌を抑制します。胸やけ、酸っぱい液体の逆流、慢性的な咳、声のかすれなどの症状が続く場合は受診が必要です。消化器内科を受診してください。内視鏡検査による食道粘膜の観察や内服加療の必要性を検討してもらいましょう。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜に深い傷ができる疾患です。主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期服用なども挙げられます。その他、ストレス、不規則な食生活、喫煙、アルコール摂取なども発症に関与します。治療は原因に応じた加療を行うことが大切です。ピロリ菌感染がある場合は除菌治療を行います。薬剤性潰瘍の場合は原因薬剤を中止し、胃酸分泌抑制薬による治療が基本となります。出血や穿孔などの合併症がある場合は入院治療や場合により手術が必要です。みぞおちの痛み、食欲不振、体重減少、黒色便(タール便)、吐血などの症状がある場合は早期受診が必要となります。医療機関は消化器内科を受診しましょう。CTなどの画像検査や内視鏡検査による診断と治療が可能で、潰瘍の深さや活動性、ピロリ菌感染の有無などを詳しく評価できます。
胆のう炎
胆のう炎は、胆のうに炎症が生じる疾患で、多くは胆石が胆のう頸部に嵌頓することが原因です。胆汁のうっ滞により細菌感染が生じ、炎症が進行します。脂肪分の多い食事の摂取が誘因となることが多く、特に女性、40歳以上、肥満者に多く見られます。また、絶食や急激な体重減少も胆石形成のリスクファクターです。一度胆嚢炎を起こしている場合は外科的治療が検討されます。右上腹部からみぞおちにかけての激しい痛み、発熱、黄疸、吐き気・嘔吐などの症状がある場合は緊急受診が必要な場合もあります。医療機関では消化器内科を受診しましょう。血液検査やエコーやCT検査による診断が重要で、胆石の有無や胆のう壁の肥厚、周囲の炎症の程度などを詳しく評価できます。

