「血圧を下げる薬」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧を下げる薬」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧が高い人はどのくらいの数値から薬を飲むべきですか?
伊藤 陽子(医師)
どのくらいの血圧から薬が必要になるかは、「現在の血圧」と「その方が持つ心臓・脳の病気に関わるリスク」によって異なり、個人差があります。
たとえば血圧が140/90mmHgの基準値を少し超えた場合、その方に脂質異常症や喫煙習慣、脳や心臓の持病がなければまずは生活習慣の改善で様子を見ます。ただし、同じ140/90mmHgを少し超えた場合でも、脳や心臓の持病、糖尿病、たんぱく尿をともなう慢性腎臓病などのある方は、すぐに血圧の薬を開始することもあります。
なぜなら、高血圧の治療目的は単に「血圧を下げること」ではなく、「持続的な高血圧によって起こる脳や心臓のリスクを下げること」「高血圧の方がより健康で快適に暮らせるようにすること」だからです。そのため、リスクが脳や心臓の病気になるリスクが高い方ほど、薬物治療によるしっかりとした血圧コントロールが早くから必要になります。気になることは主治医に確認し、疑問点を解消して治療にのぞみましょう。
高血圧に効く代表的な薬はなんでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
高血圧に効く代表的な薬は、以下の5種類です。
・カルシウム拮抗薬
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
・β遮断薬
・利尿薬
これらの薬はそれぞれ異なる方法で血圧を下げ、場合によっては組み合わせることもあります。現在の日本で治療のベースによく使われるのは、カルシウム拮抗薬とARBです。どちらも血圧を下げる効果が安定しており、臓器を保護する効果も期待できます。ただし、使う薬の種類や量は、血圧の状態や持病の有無などによって異なります。どの薬が一番効くかは人によって異なるため、医師の処方した種類と量を守って服用しましょう。
自分に合う血圧の降圧剤は何科の病院で相談できますか?
伊藤 陽子(医師)
降圧薬については、内科で相談できます。心不全や狭心症などの病気もある場合は循環器内科、腎機能の低下がある場合は腎臓内科が専門ですが、「内科」であれば基本的な高血圧の治療は問題なくおこなえます。血圧の治療は、長く続けることが基本です。「健康診断で血圧の異常を指摘された」「過去に血圧の薬を飲んでいたが、やめてしまい最近血圧が上がっている」などの方は、ご自分が相談しやすい内科をぜひ探してみてください。
高めの血圧を下げる薬で注意すべき副作用はありますか?
伊藤 陽子(医師)
高血圧の薬にも副作用はあり、とくに注意すべき内容は薬の種類によって異なります。代表的な副作用を、いくつか紹介します。
・めまい・ふらつき:薬を飲み始めて体が慣れるまでや、血圧が下がりすぎたときに起こりやすい
・むくみ・ほてり:カルシウム拮抗薬によって血管が広がると起こる場合がある
・空咳:息苦しさのない乾いた咳で、ACE阻害薬で起こる場合がある
・徐脈:β遮断薬によって脈がゆっくりになりすぎると起こる場合がある
・唇の腫れ:ARBやACE阻害薬によってまれに起こる
気になる症状が出た際は、早めに主治医へ相談しましょう。
まとめ 血圧を下げる薬はしっかりと続けることが大切!
高血圧の薬(降圧薬)には多くの種類があり、それぞれ異なる方法で血圧を下げてくれます。どの薬が合うかは個人差があり、医師が血圧の数値や持病などから判断して処方しています。
高血圧治療は「ただ数値を下げること」ではなく、高血圧によって起こる脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの重い病気を防ぐことや体調を良くすることが目的です。自覚症状がなくてもしっかりと治療を続け、ご自身の健康を守っていきましょう。

